蝿の王
改版
新潮文庫 コ−7−1
出版社名 | 新潮社 |
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出版年月 | 2010年11月 |
ISBNコード |
978-4-10-214601-9
(4-10-214601-6) |
税込価格 | 781円 |
頁数・縦 | 442P 16cm |
シリーズ名 | 蝿の王 |
書店レビュー
総合おすすめ度:
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こんな極限状態に置かれたら…
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おすすめ度
- 高井文研堂イズミ店 (岡山県真庭市)
未来の大戦中、疎開に向かう少年達を乗せた飛行機が墜落し、少年達は南太平洋の無人島に置き去りにされる。この状況設定は『十五少年漂流記』や『珊瑚礁の島』など19世紀以前に流行した「孤島漂着もの」のパロディであるが、本作はこれらの作品とは正反対の悲劇的な展開となっている。 最初法螺貝を中心に規則を作って協力し合っていた少年たちは、次第に内面の獣性が目覚め些細なことで対立を繰り返すようになる。やがて闇に潜む「獣」に脅え、狂気にとらわれた少年たちはついに自分たちの仲間の少年を集団で手にかけてしまうに至る。 日本でも同様の作品が多々あるが、代表的なものは大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』むしりだろうか。 人間のドロッとした部分、少年ゆえの残酷さを兼ね備えた作品。 気になったらどうかこの本を手に取って欲しい。
(2007年9月26日)
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商品内容
要旨 |
未来における大戦のさなか、イギリスから疎開する少年たちの乗っていた飛行機が攻撃をうけ、南太平洋の孤島に不時着した。大人のいない世界で、彼らは隊長を選び、平和な秩序だった生活を送るが、しだいに、心に巣食う獣性にめざめ、激しい内部対立から殺伐で陰惨な闘争へと駆りたてられてゆく…。少年漂流物語の形式をとりながら、人間のあり方を鋭く追究した問題作。 |
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