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100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影

新潮文庫 か−60−1

出版社名 新潮社
出版年月 2011年6月
ISBNコード 978-4-10-135166-7
4-10-135166-X
税込価格 539円
頁数・縦 253P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 数学って…もしかして面白い?

    「”ポアンカレ予想”って知ってる?」と道行く人々に片っ端から尋ねたら、いったいどれだけの人が「イエス」と答えられるでしょうか。きっとポカン、とされるのがオチ。じゃあ、何なのと言えばそれは読んでのお楽しみ、と逃げさせていただきますが、ちょろっとだけネタをバラせば、”宇宙に張り巡らせたヒモを回収できるか否か”がとっても重要なことなんだとか。…なんのこっちゃ?きっと文系の人ほど、読んで「へぇ〜!」とうなるはず。わたくし自身、学生時代はなるべく数学と遠ざかってきたのですが、この本を読むと、なぜあれほど数学を嫌っていたのか、むしろ残念に思ったのがビックリです。案外大人になってからのほうが、数学は楽しいのかも。”ポアンカレ予想”にしても、高等数学を学ばなければ、そんな問題があることすら知らない!一部の数学者たちだけが知りえる世界というか、独占してこねくりまわしているなんて、なんだかズルイぞ!と思ってしまいました。未知の世界が開けて数学への興味が高まる本です!

    (2011年8月20日)

商品内容

要旨

1世紀にわたり、幾多の挑戦者を退け続けた超難問、ポアンカレ予想が解かれた。証明したロシア人に対して、「数学界のノーベル賞」フィールズ賞が贈られ、偉業は大きく祝福されるはずだったが―。受賞を辞退して姿を消し、100万ドルの賞金さえも受け取らなかった天才は、栄光の陰で何を見たのか。数学者たちを悩ませた難問の実像に迫る。大反響を呼んだ傑作ノンフィクション。

目次

プロローグ 世紀の難問と謎の数学者
第1章 ペレリマン博士を追って
第2章 「ポアンカレ予想」の誕生
第3章 古典数学vs.トポロジー
第4章 1950年代「白鯨」に食われた数学者たち
第5章 1960年代クラシックを捨てよ、ロックを聴こう
第6章 1980年代天才サーストンの光と影
第7章 1990年代開かれた解決への扉
エピローグ 終わりなき挑戦

著者紹介

春日 真人 (カスガ マサヒト)  
1968(昭和43)年生れ。東京大学理学系研究科相関理化学修了、’93(平成5)年NHK入局。長野放送局、番組制作局教養番組部、番組開発、経済・社会情報番組を経て、現在、名古屋放送局制作部ディレクター。科学と人間のはざまを主なフィールドとしてドキュメンタリー番組を制作している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)