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東京の忘れもの 黒沢映画の美術監督が描いた昭和

出版社名 晶文社
出版年月 2002年10月
ISBNコード 978-4-7949-6544-8
4-7949-6544-3
税込価格 2,860円
頁数・縦 153P 22cm

商品内容

要旨

焦土にバラックが建つ終戦直後の東京。「変わっていく街を記録しておきたい」と、色鉛筆やペンを手に、ひたすら町を歩く二人の若者がいた。後に、黒沢明作品など数々の傑作映画を支える美術監督、村木与四郎と忍だ。スケッチしたのは、瓦礫だらけの焼け跡、雨露をしのぐだけのバラック、路地にひしめき合う露天商。長屋、芸者置屋、井戸ポンプ、竹のはしご…。映画に使おうと寸法を記したうなぎ屋の厨房もあれば、ふと目を留めた家の物干しもある。盛り場の看板を色合いも忠実に描き、飲食店では張り紙の粋な惹句と値段を記す。駒込、新宿、新橋、蒲田、神楽坂、上中里、浅草、銀座。一九五〇年代後半までに描いた町の風景と、それにまつわる思い出話に、時代が置き忘れた暮らしがよみがえる。若かりし頃、戦争のこと、映画のこと、そして黒沢のことを余すことなく語りながら、近くて遠い昭和の日々を散策する一冊。黒沢映画の未発表デザイン画と製作秘話も満載。

目次

焼け跡の光景
バラックを歩く
木造住宅おぼえ描き
なつかしの長屋
盛り場細見
横丁に誘われて
店をながめる
黒沢映画のデザイン画
映画美術フィルモグラフィー

出版社
商品紹介

『どですかでん』などの黒澤映画を手がけた名美術監督夫妻が描いた懐かしい昭和。カラースケッチ70点に加え当時の資料写真も満載。

おすすめコメント

蒲田に広がる焼け跡、新宿の横丁に並ぶ屋台から、バラック、長屋、芸者置屋、盛り場の看板まで。当たり前のようにあったものが、今は一番なつかしい。

著者紹介

村木 与四郎 (ムラキ ヨシロウ)  
1924年東京生まれ。東京高専工芸図案科(現千葉大学工学部)を卒業後、東宝に入社。松山崇の助手として、1948年の黒沢明監督作『酔いどれ天使』に参加。1954年に独り立ちし、『生きものの記録』以降ほとんどの黒沢作品において美術を担当する。『用心棒』『トラ・トラ・トラ!』『影武者』『乱』で米国アカデミー賞にノミネート。1994年紫綬褒章。1999年勲四等旭日小綬章
村木 忍 (ムラキ シノブ)  
1923年東京生まれ。旧姓、長岡忍。女子美術大学卒業後、東宝映画文化映画部に入社。翌年に東宝に移り、松山崇の助手となる。1951年5月同僚の村木与四郎と結婚。1953年の市川崑監督作『青色革命』から美術監督となり、東宝の社長シリーズなどのシリーズものや、市川崑作品を数多く手がけた。『どですかでん』『乱』で与四郎と美術監督を務める。1993年紫綬褒章。1997年1月16日死去
浜野 保樹 (ハマノ ヤスキ)  
1951年兵庫県生まれ。国際基督教大学卒業。東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授。黒沢明文化振興財団理事、徳間記念アニメーション文化財団評議委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)