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ムッソリーニ 下

出版社名 白水社
出版年月 2011年6月
ISBNコード 978-4-560-08142-6
4-560-08142-5
税込価格 4,180円
頁数・縦 412,40P 20cm
シリーズ名 ムッソリーニ

商品内容

要旨

チャーチルが「ローマの天才」と呼び、教皇ピウス11世が「神に遣わされた」と讃えた男はどこで誤ったか?スペイン内戦から謎の処刑まで、ドゥーチェとイタリアの黄昏。

目次

エチオピア一九三五〜三六年―狂犬とイギリス人たち
スペイン内戦―善悪の不分明化と陣営の選択
敗北―一九四〇〜四三年
ムッソリーニの裏切りとファシズム体制の終焉―一九四三年七月
「イタリア式悲劇」―一九四三年九月
終末

おすすめコメント

「ファシストの宗教にイタリア人が与えた合意は、信頼と理性から発したものだった」――。ムッソリーニとイタリアの群衆が向かった、新しい人間による新しい社会の栄光と悲惨。「ミラノのロレート広場のガソリン・スタンドに、あんな風に残酷にぶら下げられた父とその他の人たちを見たとき、わたしは自分に言い聞かせた。《あれが彼に対するイタリア人の最後の愛の表現だったのだ》と。」ムッソリーニの娘エッダ 群衆を駆り立てたムッソリーニ神話の真実 ヒトラーとともに今日、「史上最悪の人物」として記憶される独裁者ムッソリーニ。しかし、同時代に彼ほど積極的に論じられ、好意的に評価された人物はいなかった。新たな政治体制を目指した「第三の道」を提示し、ヴァティカンとイタリアを和解させ、暴走するヒトラーを絶えず牽制するその姿に、世界中が熱狂した。チャーチルは彼を「ローマの天才」と呼んだし、教皇ピウス11世はイタリアを救うために「神に遣わされた」人物と讃える。あのヒトラーが彼の熱烈な模倣者として歴史に登場したことも忘れられない事実だ。本書は、ムッソリーニをこうした同時代に改めて「埋葬」する試みである。第二インターの崩壊から、ローマ進軍、エチオピア侵攻、スペイン内戦、第二次大戦、そして謎に包まれた処刑まで……その生涯から見えてくるのは、イタリアの「栄光の日々」と、彼に対する「イタリア人の愛」である。もちろん、挑発的な解釈は現代にも跳ね返る。「ファシストの宗教にイタリア人が与えた合意は、信頼と理性から発したものだった」。本書がこう強調するとき、それは自由主義やマルクス主義を中心とした既成の歴史観への疑義の表明だ。著者は元デイリー・テレグラフ紙記者。歴史修正主義論争を経たのちに〈物語〉を正面から論じた異色作!

著者紹介

ファレル,ニコラス (ファレル,ニコラス)   Farrell,Nicholas
英ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学で歴史学を学んだのち、デイリー・テレグラフ社で記者に。1998年夏から、ムッソリーニが生まれ、かつ埋葬されている伊ロマーニャ州プレダッピオに暮らす。現在も新聞・雑誌を舞台に執筆活動を続けている
柴野 均 (シバノ ヒトシ)  
1948年生。信州大学人文学部教授(イタリア近現代史)。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)