• 本

訂正する力

朝日新書 926

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2023年10月
ISBNコード 978-4-02-295238-7
4-02-295238-5
税込価格 935円
頁数・縦 243P 18cm

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要旨

ネット上などで「論破」がブームになったり、過去の問題行動や、意見や態度のぶれを一斉に叩くなど、健全で前向きな議論がしづらい風潮が出ている。そうした問題の原因として、批評家の東浩紀氏が主張するのが「訂正する力」の不足だ。過去をリセットするのではなく「現在と過去をつなぎなおす力」だという。本書では、日本で「訂正する力」が不足し歪みが生じている現状を批判的に考察しながら、過去を見つめなおし、柔軟かつ前向きに捉えて未来への変化につなげる考え方と方法論を展開。真実を直視しつつも「じつは……だった」と再解釈するダイナミズムを発揮し、議論につなげることこそが持続可能な社会をつくるのに必要と説いている。著者は1971年生まれの批評家で株式会社ゲンロン創業者。サントリー学芸賞を受賞した『存在論的、郵便的』(新潮社)、毎日出版文化賞受賞の『観光客の哲学』(ゲンロン)など著書多数。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年11月28日]

商品内容

要旨

保守とリベラルの対話、成熟した国のありかたや老いの肯定、さらにはビジネスにおける組織論、日本の思想や歴史理解にも役立つ、隠れた力を解き明かす。それは過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、現実に合わせて変化する力―過去と現在をつなげる力です。持続する力であり、聞く力であり、記憶する力であり、読み替える力であり、「正しさ」を変えていく力でもあります。そして、分断とAIの時代にこそ、ひとが固有の「生」を肯定的に生きるために必要な力でもあるのです。

目次

第1章 なぜ「訂正する力」は必要か(ヨーロッパのしたたかさ
「空気」は訂正できるか ほか)
第2章 「じつは…だった」のダイナミズム(訂正は日常的にやっている
試行錯誤の価値 ほか)
第3章 親密な公共圏をつくる(時事と理論と実存
訂正する力は経営の哲学だ ほか)
第4章 「喧騒のある国」を取り戻す(日本思想の批判的な継承
日本哲学のジレンマ ほか)

出版社・メーカーコメント

ひとは誤ったことを訂正しながら生きていく。 哲学の魅力を支える「時事」「理論」「実存」の三つの視点から、 現代日本で「誤る」こと、「訂正」することの意味を問い、 この国の自画像をアップデートする。 デビュー30周年を飾る集大成『訂正可能性の哲学』を実践する決定版! 聞き手・構成/辻田真佐憲 帯イラスト/ヨシタケシンスケ 保守とリベラルの対話、成熟した国のありかたや 老いの肯定、さらにはビジネスにおける組織論、 日本の思想や歴史理解にも役立つ、隠れた力を解き明かす。 それは過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、 現実に合わせて変化する力――過去と現在をつなげる力です。 持続する力であり、聞く力であり、記憶する力であり、 読み替える力であり、「正しさ」を変えていく力でもあります。 そして、分断とAIの時代にこそ、 ひとが固有の「生」を肯定的に生きるために必要な力でもあるのです。 (目次) 第1章 なぜ「訂正する力」は必要か 第2章 「じつは……だった」のダイナミズム 第3章 親密な公共圏をつくる 第4章 「喧騒のある国」を取り戻す 日本には、まさにこの変化=訂正を嫌う文化があります。政治家は謝りません。官僚もまちがいを認めません。いちど決めた計画は変更しません。(…)とくにネットではこの傾向が顕著です。かつての自分の意見とわずかでも異なる意見を述べると、「以前の発言と矛盾する」と指摘され、集中砲火を浴びて炎上する。そういう事件が日常的に起きています。(…)そのような状況を根底から変える必要があります。そのための第一歩として必要なのが、まちがいを認めて改めるという「訂正する力」を取り戻すことです。(「はじめに」より)

著者紹介

東 浩紀 (アズマ ヒロキ)  
1971年生まれ。批評家。東京大学大学院博士課程修了。株式会社ゲンロン創業者。『存在論的、郵便的』(98年)でサントリー学芸賞、『クォンタム・ファミリーズ』(2009年)で三島由紀夫賞、『弱いつながり』(14年)で紀伊國屋じんぶん大賞、『観光客の哲学』(17年)で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)