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昭和30年代スケッチブック 失われた風景を求めて

出版社名 いそっぷ社
出版年月 2007年10月
ISBNコード 978-4-900963-39-9
4-900963-39-9
税込価格 1,760円
頁数・縦 263P 20cm

商品内容

要旨

原っぱの夕焼け、マッチと七輪、集めたメンコ、改札のキップ切り、台風が来た夜のローソクの明り、大編隊でやってきたトンボ…みんなどこに消えてしまったんだろう。いまでは見られなくなった、こんな風景。

目次

遊びが終るかなしさ。夕焼けはこどもの頃を思い出させる
夏の臨海学校はなぜか、赤いふんどし着用と決まっていた
廊下の奥にひっそりとある夜の便所は不気味だった
クルクルまわるシンボルマーク。昔の床屋にもう一度入ってみたい
向う三軒両隣。路地裏では誰もが顔見知りだった
毎日小さな虫篭をぶらさげてトンボとりに夢中だった
台風が来ると、わくわくするような気分になった
獅子舞に凧あげ。独得の風情があった昔のお正月
一日の朝は、マッチで七輪に火をおこすところから始まった
鉛筆を削り、消しゴムをそろえれば明日の学校準備はオーケーだった
メンコにビー玉、カバヤの懸賞カード。みんなこども時代に集めたものだ
少女雑誌に少女スター。「少女」という言葉はもっと輝いていた
ヨーカンやバナナ、メロン。おやつの分け方でよく兄弟喧嘩になった
「アンポンタン」に「しみったれ」。威勢のいい東京言葉も通用しなくなった
蚊が多かった昔の夏に蚊帳は必需品だった
夏祭りの最大の楽しみは縁日ならではのおもちゃだった
都電のことを昔は“チンチン電車”と呼んでいた
食堂車で車窓の風景を味わう。いまではかなわない旅の楽しさだ
ビリー・ホリディをぜんまい式の蓄音機で初めて聴いた
一九六一年、十八歳。毎日毎日ジャズ喫茶で過ごしていた
ダンス好きで賑わった、キャバレー独得の喧騒もいまはない
走る都電背景に東京タワー。まさに昭和三十年代の風景だった
原っぱに巨大なテントが張られ、サーカスはどこからともなくやって来た
街の風物詩だった虫売り屋さん。夜鳴く虫の声は涼しげだった
防火バケツの氷、霜柱……季節と向き合う楽しさを思い出したい
病人が家にいる。ごく普通の風景として、それはあった
生まれ育った漁師町。いなせな、この土地でぼくはいろんなことを学んだ

著者紹介

奥成 達 (オクナリ タツ)  
昭和17年、東京都品川生まれ。詩人、エッセイスト。青山学院大学文学部講師
ながた はるみ (ナガタ ハルミ)  
長崎県出身。イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)