• 本

オオカミの声が聞こえる

出版社名 地湧社
出版年月 2014年1月
ISBNコード 978-4-88503-227-1
4-88503-227-X
税込価格 1,650円
頁数・縦 190P 19cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 不思議な力の導く先には

    長年児童文学の分野で活躍してきた著者による、初のヤングアダルトと大人向け作品。アイヌの女性・マウコは都会で暮らしていたが、アイヌとしての生き方を見つめ直そうと、10年ぶりに北海道へ戻ってきた。それはなぜか。マウコはヌプルクル(透視や予言の能力)を持っていたからだ。アイヌの歴史に触れるうち、その能力を活かして、山深い中必死に生き延びてきた野性のオオカミの切なる願いを、マウコは聞くのだった。物語はファンタジーの雰囲気を漂わせながらも、アイヌの歴史や実在の人物名が登場することで、アイヌの人々の現在の様子も垣間見ることができる。現代まで続く問題などにも触れられる、貴重な一冊となっている。

    (2015年2月11日)

商品内容

要旨

北の地を離れ都会で暮らしていたアイヌの女性マウコは、あるとき自分のアイヌとしての自分を取り戻し、生きていく道を探すために北海道に戻る。図書館や博物館を巡っているうちに、百年以上も前に絶滅したエゾオオカミの剥製から見つめられ、何かのメッセージを感じて、行動に移すのだが…。

著者紹介

加藤 多一 (カトウ タイチ)  
1934年北海道紋別郡滝上町サクルーに農民の子として生まれる。現在、小樽詩話会会員。市立名寄大学非常勤講師。「有島武郎青少年文学賞」選考委員。児童文学の代表作に、『草原―ぼくと子っこ牛の大地』(日本児童文学者協会賞)『遠くへいく川』(第22回赤い鳥文学賞)。『オオカミの声が聞こえる』は、ヤングアダルトと大人向けに本格的に取り組んだ初めての作品(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)