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『キリスト教信仰』の弁証 『信仰論』に関するリュッケ宛ての二通の書簡

出版社名 知泉書館
出版年月 2015年8月
ISBNコード 978-4-86285-214-4
4-86285-214-9
税込価格 3,520円
頁数・縦 182,46P 20cm

商品内容

要旨

シュライアマハー(1768‐1834)は神学者、説教者、プラトンの翻訳家として多方面で活躍しながら、処女作の『宗教論』により鮮烈な感銘を与えた。それは自然理性や道徳性に還元できない宗教の独自性を弁証して、啓蒙主義的宗教観に訣別し、プロテスタント神学を方向づけるとともにドイツ・ロマン主義の宗教観を象徴した。そのような背景のなかで彼の主著である『信仰論』(1821‐22)が刊行されるや各方面からさまざまな批判が寄せられた。著者は本書の改訂に着手できないなか、多くの批判に応えるため二通の公開書簡を発表した。本書はその書簡の翻訳と注解である。第1版と第2版(1830‐31)の異同も含めて、著者の意図を正確に理解するうえでも第一級の資料である。名だたる神学者たちが寄せた各種の論評に対して、誤解を糺し、あるいは鋭く反論するなど興味深い議論が展開される。なかでもシュライアマハーの教義学概念の特質と妥当性、敬虔ないし直接的自己意識と絶対依存の感情、そしてキリスト教信仰と近代的学問性の問題など、主要な課題について示唆に富む見解が示される。

目次

第一の書簡(書簡の目的
間違った批判に対する態度
知識と敬虔の関係
依存感情についての誤解
神意識 ほか)
第二の書簡(書簡の目的
『信仰論』の再構成に関する問い
現在の構成が引き起こしたいろいろな誤解
再編成の利点
再編成をしないとの決断 ほか)

著者紹介

安酸 敏眞 (ヤスカタ トシマサ)  
1952年生まれ。京都大学大学院博士課程およびヴァンダービルト大学大学院博士課程修了。Ph.D.、京都大学博士(文学)。現在、北海学園大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)