商品内容
要旨 |
ドイツ語の“白バラ”は大文字で書かれ、固有名詞化されている。それだけよく知られているということだが、日本ではインゲ=ショル著の本は『白薔薇は散らず』、映画は『白バラは死なず』というふうに紹介されている。このほかにも“白バラ”関係の著訳書は何冊かあるが、なお、この語がよく知られているとは言いがたい。ヒトラー治下のドイツで、独裁体制に対する抵抗運動に立ち上がった大学生たちが作製し配布したビラの名が“白バラ”であることから、彼らを“白バラ‐グループ”とよぶのである。ミュンヘン大学で毎年二月、刑死したこの人たちを追想し記念する催しが行われる。彼らの抵抗が非政治的、精神的なものにとどまり、その運動を挫折ととらえるべきか、あるいはまた、のちのちまで影響を残す高次の政治的なものだったかをめぐって、なお論議がある。 |
---|---|
目次 |
1 抵抗運動の学生たち(“白バラのビラ”出現 |