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イスラム金融の原理と経済

出版社名 三省堂書店/創英社
出版年月 2024年12月
ISBNコード 978-4-87923-290-8
4-87923-290-4
税込価格 1,980円
頁数・縦 200P 21cm

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要旨

湾岸の産油国をはじめとするイスラム教国家では、神の言葉や神の使徒であるムハンマドの言行が、国民の生活習慣のみならず、政治・経済を導く原理となっている。とくに、独特なのが「イスラム金融」だ。「金利」をとることを厳しく禁じることがよく知られるが、その本質は、欧米で主流の金融の考え方とは大きく異なるようだ。
本書では、イスラム金融の原理を、欧米を中心に現代まで続く伝統的な金融とその歴史などと比較しながら、詳しく解説している。イスラム金融は、神の下ですべての人は神の召使いであり、代理人でもあるため平等という前提のもと、riba(金利)、gharar(不確実性)、maisir(賭博)などを禁じ、衡平で公正な取引を行うことに大きな特徴がある。商取引はすべからく実需と結びつくものとし、マネーがマネーを生むような金融取引とは根本的に異なるのだという。
著者は、和歌山大学経済研究科客員教授、公益財団中東調査会評議員。旧東京三菱銀行アジア本部長兼マレーシア現地銀行会長、同行専務取締役グローバルコーポレート部門長などを歴任した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年2月19日]

商品内容

要旨

実務家であり研究者である複眼の著者は、金融の思想の源泉を温ね、当初の姿をとどめるイスラム金融と、欧米金融の発展史とを対比し、欧米での金利のイスラム金融との歴史的分岐点、金利取扱いのあるべき姿を探る。自然利子率への白川方明教授の解説を収載。

目次

第一章 イスラム金融と貨幣・金利と利潤
第二章 投資とイスラム金融
第三章 イスラム金融の禁止項目Gharar
第四章 イスラム金融とTime Value of Money
第五章 伝統金融の危機とイスラム金融
第六章 イスラム金融とイスラム経済
巻末寄稿 ゼロ金利について思うこと―政策金利、市場金利、中立金利―(白川方明)青山学院大学特別招聘教授(元日本銀行総裁)

著者紹介

渡辺 喜宏 (ワタナベ ヨシヒロ)  
1947年生まれ。東京大学法学部卒。マレーシア・イスラム金融国際教育センター(INCEIF)卒。Chartered Islamic Finance Professional(修士相当)。旧東京三菱銀行アジア本部長兼マレーシア現地銀行会長。同行専務取締役グローバルコーポレート部門長。外国為替等審議会専門委員、APECビジネス諮問委員会日本委員・金融経済部会長。国際通貨研究所専務理事、京都大学公共政策大学院他で非常勤講師、事業創造大学院大学教授、学校法人AICJ〓州学園理事長を務めた。現任国立大学法人和歌山大学経済研究科客員教授・公益財団中東調査会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)