
憲法9条の思想水脈
朝日選書 823
出版社名 | 朝日新聞社 |
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出版年月 | 2007年6月 |
ISBNコード |
978-4-02-259923-0
(4-02-259923-5) |
税込価格 | 1,430円 |
頁数・縦 | 289P 19cm |
商品内容
文学賞情報 |
2007年
第11回
司馬遼太郎賞受賞 |
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要旨 |
戦後日本を60年支えてきた日本国憲法。その改正手続きを定めた国民投票法案が2007年5月、国会で成立した。争点は9条である。人類の歴史のなかで、絶え間なく繰り返されてきた戦争。じつは、それゆえに平和を求める切実な声が途絶えることはなかった。日本でも幕末以降、軍備撤廃を論じ、戦争廃止を訴える思想が現れ、それらが第一次世界大戦後の「すべての戦争の違法化へ」という世界の動きと合流していった。憲法9条は、戦後、突然生まれたものではない。世紀を越え、国境を越え、脈々と流れてきた平和運動や非戦思想の到達点にあり、平和を個人の生存権として主張する画期的な条文なのだ。日本はいま「国益」「同盟強化」の名のもと、戦争を前提とした軍事力均衡(バランス・オブ・パワー)政策が国民を守らなかった19世紀に戻ろうとしているのか。 |
目次 |
第1章 憲法9条の構成と平和主義憲法の基軸 |
出版社 商品紹介 |
平和思想、非戦思想は世界の潮流であり、日本の地下水脈に流れてきたことを論証。その到達点として憲法9条があることを喚起する。 |
おすすめコメント
20世紀は戦争の世紀であると同時に、平和を希求した世紀でもあった。第一次大戦後、戦争の違法化という世界の動きに連動するように、日本でも非戦論批判の圧迫を受けながらも、非戦の思想や文学が途切れることなく表れた。平和思想、非戦思想は戦後突然、与えられたものではなく、地下水脈として流れていて、その到達点として今の憲法9条がある。改憲論に論証を持って一石を投じる。