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秋田蘭画の近代 小田野直武「不忍池図」を読む

出版社名 東京大学出版会
出版年月 2009年4月
ISBNコード 978-4-13-080212-3
4-13-080212-7
税込価格 7,150円
頁数・縦 359,33P 22cm

商品内容

文学賞情報

2009年 第22回 和辻哲郎文化賞・一般部門受賞
2016年 第52回 日本翻訳出版文化賞受賞

要旨

日本在来の画材を使って、果敢に洋画を描こうとした秋田蘭画派・小田野直武。洋画法を平賀源内に学び、『解体新書』の挿図を担当した画家は、一体誰のために、何を意図してこの画を描いたのか。静寂な風景画に見えるこの一枚のなかには、中国美人画の文学的言説から、同時代の江戸風俗、鑑賞の遊びまでが隠されていた―近代を先取り、近代になってこそ再発見された絵画思考を甦らせる。著者四半世紀の研究にもとづく大作。

目次

「不忍池図」が語るもの
第1部 「不忍池図」が無かった時代(日本近代美術史上の秋田蘭画―平福百穂『日本洋画曙光』再考)
第2部 トポスと象徴―「不忍池図」とは何か(トポスとしての不忍池
池の畔にたたずむ美人)
第3部 視覚の仕掛け―「円窓」試論(円窓の内
框窓と借景―文人たちの窓)
知られざる前衛志向

出版社
商品紹介

ひとつの作品に織り込まれた画家の思考をたどり、その背景にある江戸文化の意味体系を明らかにする。

著者紹介

今橋 理子 (イマハシ リコ)  
1964年東京都生まれ。1987年学習院大学文学部哲学科(美術史専攻)卒業。1989年同大学院人文科学研究科哲学専攻博士前期課程修了。1993年同博士後期課程修了。1994年博士(哲学)号取得。日本学術振興会特別研究員、東海大学文学部専任講師等を経て、学習院女子大学国際文化交流学部教授。著書に、『江戸の花鳥画―博物学をめぐる文化とその表象』(スカイドア、1995年、第17回サントリー学芸賞・第46回芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸絵画と文学―“描写”と“ことば”の江戸文化史』(東京大学出版会、1999年、第12回國華賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)