とうちゃんとユーレイババちゃん
講談社・文学の扉
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2017年2月 |
ISBNコード |
978-4-06-283242-7
(4-06-283242-9) |
税込価格 | 1,540円 |
頁数・縦 | 197P 20cm |
商品内容
文学賞情報 |
2015年
第18回
ちゅうでん児童文学賞受賞 |
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要旨 |
ぼくの家は、ちょっと変わってる。なぜかっていうと―。小6の優也、そして優也をとりまく人びとの、笑顔と涙の物語。第18回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞。 |
おすすめコメント
「第18回ちゅうでん児童文学賞」大賞受賞作品です。(選考委員:斉藤洋、富安陽子、鷲田清一) 複雑な家庭環境にある小6の男の子をとりまく、ちょっと不思議で、ちょっとせつないこともある日々が、ユーモアいっぱいに描かれています。小学校高学年から、楽しく読める一冊です。●あらすじ ぼくは六年生。「とうちゃん」とお母さんと三人暮らし。でももう一人、なぜかぼくにしか見えない、ユーレイのババちゃんもいっしょだ。ぼくが四年生だった冬の寒い朝、ババちゃんはベッドの中で冷たくなっていた。六十五歳だった。そしてその日から、ババちゃんはユーレイになったのだ。なぜ成仏できないのかは、ババちゃんにもわからないらしい。「心残りが多すぎるからかね。」そう言って、ババちゃんはガハハと笑う。ババちゃんの心残りは、たぶん家族のこと……。お母さんは、十八歳でシングルマザーになり、ぼくを産んだ。とうちゃんは、ぼくの父親ではない。お母さんの十歳年上のお兄さんだ。つまりぼくの伯父さんだ。名前が透也だから「とうちゃん」。ほれっぽいけど、恋愛には奥手の四十男だ。ぼくは父親を知らない。でも、さびしいと思ったことはない。とうちゃんがずっとぼくの父親代わりだったから。楽天的で子どもっぽくて、おまけに下ネタ好きのしょうもないとうちゃんだけど、ぼくはとうちゃんが大好きなのだ。もちろん、そんなことは口に出しては言えない、てれくさくて。そんなとうちゃんが恋をした相手は、ぼくの同級生、鈴木健龍の母親だった。健龍にも父親がいない。六年の春に転校してきた無口な健龍とは、ほとんど話もしたことがなかったぼくだけど、いつしかお互いを親友と認める仲になっていく。そして健龍の母親へのとうちゃんの恋心は、周囲の予想通りに、言い出す間もなく砕け散る。複雑な家庭環境ながらも、ぼくは毎日をおもしろおかしく過ごしていたのだ。「結婚してもいい? おなかに赤ちゃんがいるの。」と、お母さんが突然言い出すまでは……。