リラの花咲くけものみち
出版社名 | 光文社 |
---|---|
出版年月 | 2023年7月 |
ISBNコード |
978-4-334-91541-4
(4-334-91541-8) |
税込価格 | 1,870円 |
頁数・縦 | 379P 19cm |
NetGalley 会員レビュー
おすすめ度 獣医は動物の命を救うだけじゃない??厳しい現実に心が折れたり、逃げ出したくなったりしつつ、また、家庭環境も複雑で、消化できないものを抱えたままの聡里。でも、聡里をずっと見守り続ける祖母のチドリさんがいて、大学で新しく出会った友人や先輩がいて、実習先で出会った人々がいて。ともすると、20歳前後の時期は不安定で、自分なんて何もできないと不甲斐なさに打ちのめされそうになるけれど、でも見方を変えれば、その心の柔らかさは何でも吸収できるし、何にでもなれるっていうことなんだよ ?? そんなエールを感じました。若い人にぜひおすすめしたい一冊です。
おすすめ度 藤岡さんの『きのうのオレンジ』を読んだとき、命についてここまでリアルな感情を込めて描けるのかという衝撃が忘れられない。それ以来新作を楽しみにする作家さんの一人になった。獣医師を目指し、北農大学獣医学類に通う聡里(さとり)が主人公。命の輝きを感じるだけでなく、その命を救えない現実にもぶつかる。章ごとに植物の名前が付けられ、その花言葉の意味もとてもいい。北海道の美しい自然の描写と、獣医師を目指す聡里の成長、聡里に関わり彼女を見守る人たちの優しさ。命についてのリアルさが心に何度も突き刺さる。藤岡さんの作品で第1章から泣いたのは初めてだ。とても心が潤う作品。
おすすめ度 一気に読みました。主人公が、とても芯が強くて、真っ直ぐで一途な姿に心打たれました。当初は、引きこもりがちでしたが、周囲の導きを素直に受け取り、過酷な獣医師を志し、実現しました。祖母の命を削るほどの強くて優しい愛情に支えられて、とても大きく成長していきます。寒い北海道が舞台ですが、登場人物が皆魅了的で熱い人達ばかりです。人生に本気で向き合う素敵な物語でした。 上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ) NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。 |
商品内容
文学賞情報 |
2024年
第45回
吉川英治文学新人賞受賞 |
---|---|
要旨 |
幼い頃に母を亡くし、父が再婚した継母とうまくいかず不登校になった岸本聡里。愛犬だけが心の支えだった聡里は、祖母に引き取られペットたちと暮らすうち、獣医師を志すように。北農大学獣医学類に入学すると、慣れない寮生活が始まった。面倒見のよい先輩、気難しいルームメイト、志をともにする同級生らに囲まれ、学業や動物病院でのアルバイトに奮闘する日々。伴侶動物の専門医を目指していた聡里だが、馬や牛など経済動物の医師のあり方を目の当たりにし、「生きること」について考えさせられることに―北海道の地で、自らの人生を変えてゆく少女の姿を描いた感動作! |