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純粋理性批判 上

岩波文庫

出版社名 岩波書店
出版年月 1980年
ISBNコード 978-4-00-336253-2
4-00-336253-5
税込価格 1,210円
頁数・縦 371P 15cm
シリーズ名 純粋理性批判

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 今日、薬師神社の境内に腰を下ろし本書を読み返してみた。ただひたすら読書にふけっていると、ふとキツツキの存在に気が付いた。読書子の気配が消え、自然と一体化していたのだろう、至近距離でキツツキが嘴を樹に打ちつけているのが見えた。読み終えて満たされた。いま、このことを痛切に感じている。お断りしておくが、それは何も難解な書に挑み、成し終えたことによる達成感の獲得などという小さな次元の話ではない。本書でカントは人間の認識能力の限界というテーマに取り組み、見事それを示してみせた。そして何よりも、その先に遥かに広がる知性の地平線を−われわれ人類の途方も無く大きい可能性を−示したのだ。感性、悟性、理性の順に記述が進められ、それは本作品の上(感性、悟性)、中下(理性)の仕分けにぴったり該当する。理論哲学から実践哲学(倫理学のこと)への橋渡しまで体系的に記述されており、そしてさらに『実践理性批判』へと続いてゆく。でも個別の内容紹介をするのはよそう。限られた字数で書き尽くせるものではないし、いまさらそのことで読者が増えるとも思えないからだ。ここではただ次のことを述べるにとどめよう。人間の根源に触れたときの喜

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    (2009年9月28日)

商品内容

要旨

イギリスの哲学者ヒュームの示唆をうけて、先験的観念論をうちたてた『純粋理性批判』は、『実践理性批判』『判断力批判』とならぶ、カント(一七二四‐一八〇四)三大批判書の一つで、これら「批判哲学」の基礎に相当する、著者の理論の代表的労作である。

目次

1 先験的原理論(先験的感性論(空間について
時間について)
先験的論理学(先験的論理学の構想
先験的分析論))