人は、それぞれの物語を抱えて生きていくことしかできない。自殺、死後結婚、最後のセックス、ハンセン病、ＨＩＶ、津波―。日本の悲しみの現場を歩く中で見つけた人生の結晶を、気鋭のノンフィクション作家が柔らかな視線ですくい取る。

第１話　愛の渇望
第２話　自ら命を絶つ日
第３話　亡き人のための結婚式
第４話　ある家の幻
第５話　愛と哀しみの病
第６話　隔離者の告白
第７話　最後に抱いて
第８話　津波に遺されて

『遺体』で東日本大震災の知られざる極限状態を描き高い評価を得た石井光太氏の、初となる短編ノンフィクション集。