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カルピスをつくった男三島海雲

出版社名 小学館
出版年月 2018年6月
ISBNコード 978-4-09-389777-8
4-09-389777-8
税込価格 1,760円
頁数・縦 351P 20cm

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要旨

99.7%の日本人が一度は飲んだことがある「国民飲料」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか? 正解はカルピス。「99.7%」というのは2007年のカルピス社による調査の結果である。1919年に誕生したカルピスは、約100年にわたり世代を超えて愛されてきたのだ。かつてのキャッチフレーズ「初恋の味」を知る人も多いだろう。ただし、そんなカルピスの産みの親の名を知る人は少ないのではないか。本書は、モンゴルの遊牧民が伝統的に食してきた滋養強壮に効果のある乳製品に着想を得てカルピスの商品化に成功した三島海雲(1878-1974)の評伝。著者自身も三島海雲の足跡を辿り、カルピスのルーツを探るモンゴルへの旅を決行するなど、数々の関係者への取材とともに、知られざる発明者・経営者の素顔とその熱い思いを明らかにしている。著者は1977年生まれのノンフィクションライター。『捕るか護るか? クジラの問題』(技術評論社)などの著書がある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2018年07月25日]

商品内容

要旨

男の名は三島海雲。一八七八年に貧乏寺の長男として生まれ、一九〇二年、日本語教師として中国大陸に渡った。その後、北京で雑貨を売買する行商会社を立ち上げ、モンゴル高原を行き来する。ある日、遊牧民から乳製品を振る舞われた。未知なる味に心が躍る。その感動は海を渡り、一九一九年、日本初の乳酸菌飲料カルピスが誕生することになる。

目次

序章 カルピスが生まれた七月七日に
第1章 国家の運命とともに
第2章 草原の国へ
第3章 戦争と初恋
第4章 最期の仕事
終章 一〇〇年後へ

出版社・メーカーコメント

カルピス誕生100年!!誰もが知る国民飲料。その産みの親を誰も知らない。会社の売上げより国の豊かさ、そして日本人の幸せをひたすら願ったカルピス社創業者・三島海雲。筆者は同社OB、遺族のもとを訪ね、遂にはカルピス誕生の地モンゴルに飛んだ――。近代日本を軽やかに駆け抜け、遊牧民の生活から夢の乳酸飲料を着想した男の生涯を辿る人物評伝。国利民福は、企業は国家を富ませるだけでなく、国民を豊かに、そして幸せにしなければならないという三島が唱えた経営理念だ。経営者が当たり前に持つべき思想だと感じる。だが、いま、新自由主義がもたらした格差と分断が広がる社会で、社会や他者を顧みる余裕は奪われてしまったのではないか。自己を最優先しなければ、競争を生き抜けない。だからこそ、国利民福を貫いた三島海雲を知ってほしいと思った。何よりも三島が辿った道は、私たちが生きるいまにつながっている。――あとがきより【朝日、読売、産経ほか各紙が書評で取りあげた話題書】

著者紹介

山川 徹 (ヤマカワ トオル)  
ノンフィクションライター。1977年、山形県生まれ。東北学院大学法学部法律学科卒業後、國學院大學二部文学部史学科に編入。大学在学中からフリーライターとして活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)