商品内容
要旨 |
秋田県能代市で、老人施設入居者八五歳の死体が近隣の水路から発見された。雪荒ぶ現場、容疑者として事情聴取を受けることになったのは施設で働くベトナム人アインである。外国人技能実習生として来日した彼女は、神戸の縫製工場で働いていたが、劣悪な労働に耐えかね失踪。東北に流れ着いた。アインは重篤なガンを患っていた入居者に請われて、自殺を幇助したとの自供を始める。捜査官らは安堵したが、ひょんなことから捜査に加わった警視庁継続捜査班の田川信一は、死体の「手」に疑いを抱いた。執念の再捜査で浮かび上がったのは、流通業界の覇者として君臨する多国籍IT企業だった。 |
---|
出版社・メーカーコメント
日本は先進国の地位から転げ落ちた。限られた富は、一部のエリートと特権階級に貪られ、「その他」の国民との間に分断が生まれつつある。一度、下層に落ちれば、二度と這い上がれない――。その恐怖が悲劇を生んだ。