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ピアノ、その左手の響き 歴史をつなぐピアニストの挑戦

出版社名 太郎次郎社エディタス
出版年月 2016年2月
ISBNコード 978-4-8118-0789-8
4-8118-0789-8
税込価格 1,980円
頁数・縦 222P 20cm

商品内容

要旨

グールドの「月光」に衝撃を受けた少年は、ピアニストへの道をまっしぐらに進む。イタリアへ、ドイツへ。ある日、右手を襲った難治の病、そして再起…。左手のピアニスト・智内威雄がその足跡を語り、音楽史に刻まれた左手の名曲を伝える。

目次

第0話 響きを創造する―プロローグ
第1話 ピアノの下にゆりかご―ピアノが子守歌だった幼少期
第2話 早朝練習とラジコン・マニュアルの日々―小学生のころ
第3話 没頭少年と疾走するピアノ―思春期の挑戦
第4話 図書館が世界への扉だった―聴きまくり弾きまくる高校生
第5話 イタリアへ、ドイツへ―ピアニストへの道を選ぶ
第6話 ジストニアから学んだこと―留学時代、難病から再起まで
第7話 左手のピアニストへの道のり―関西に移り住むまで
第8話 「左手のアーカイブ」の活動―ピアノのための道をつくる

おすすめコメント

バッハ=ブラームスの行間、スクリャービンの希望、ラヴェルの華麗──。三百年の歴史を持つ、知られざる豊かな響き、左手のピアノ音楽がよみがえる。病によって、戦争によって、右手の自由を失ったピアニストたちが、それでも表現することをあきらめずに ひとすじの細い道をつないできた左手のピアノ音楽。それはまったく新しい豊かな響きをピアノにもたらした。多彩な音色と高い音楽性──片手演奏のイメージを180度変える希望の音楽である。少年時代から人に音楽を聴かせることに喜びを見出していた若いピアニストは、ジストニアの発症によって左手の音楽に目覚める──。ETV特集「左手のピアニスト?もうひとつのピアノ・レッスン」をはじめ、各種メディアで注目を集める"左手のピアニスト"が、新しい響きを生みだすまでの歩みを縦糸に、左手音楽の歴史を横糸に、はじめて書き下ろす、未知のピアノ体験。

著者紹介

智内 威雄 (チナイ タケオ)  
1976年、埼玉県蕨市生まれ。東京音楽大学ピアノ演奏科コース卒業。大学在籍中にミラノにても研鑽を積む。日本では小林出氏と前島園子氏に、ミラノではアニータ・ポッリーニ氏とアダ・マウリ氏に師事。2000年、ドイツ・ハノーファー音楽大学に入学。E.S.ネックレベルク教授に師事。グリーグ国際コンクール入賞、マルサラ国際コンクール3位入賞。留学中に局所性ジストニアを右手に発症するが、スクリャービンの「前奏曲」と「夜想曲」、バッハ=ブラームスの「シャコンヌ」など左手の音楽世界と出会い、左手のピアニストとして音楽活動を再開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)