• 本

あかね空

文春文庫

出版社名 文藝春秋
出版年月 2004年9月
ISBNコード 978-4-16-767002-3
4-16-767002-X
税込価格 847円
頁数・縦 411P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 家族の絆を描ききった人間ドラマ

    あなたの尊い関係が手遅れになる前に、諦めない事・素直になること・信じる事。著者が暗に示す私たちへの伝言がとてもやさしいもので、出会えて良かった1冊となりました。
    深い愛情を持つ身内だからこそ、近すぎて見えないお互いの思い。
    余りに大切なばかり暴走しがちな母の心。放蕩息子。身内の死。啀み合い、時には憎しみ合いもつれて行く感情は、家業の商いによってのみ繋ぎ止められ、年月が経過していく。その上、家業すら悪巧みをした同業者につけ込まれようとしている。
    ああ、もう最悪だ。これ以上無理。修復不可能な家族の絆が迎えた顛末とは。
    江戸を舞台にしているが、どの時代にもどんな家族にも起こりうる行き違いの思いが描かれていて
    現代を生きる私たちの心にも響いてくる。
    最悪な状況に立ち向かう、勇気を貰える長編時代小説です!

    (2010年3月27日)

商品内容

要旨

希望を胸に身一つで上方から江戸へ下った豆腐職人の永吉。己の技量一筋に生きる永吉を支えるおふみ。やがて夫婦となった二人は、京と江戸との味覚の違いに悩みながらもやっと表通りに店を構える。彼らを引き継いだ三人の子らの有為転変を、親子二代にわたって描いた第126回直木賞受賞の傑作人情時代小説。

著者紹介

山本 一力 (ヤマモト イチリキ)  
昭和23(1948)年、高知県に生まれる。都立世田谷工業高等学校電子科卒業。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空会社関連の商社勤務などを経て、平成9(1997)年、「蒼龍」で第77回オール読物新人賞を受賞。平成14(2002)年、「あかね空」で第126回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)