ヘヴン
講談社文庫 か112−3
出版社名 | 講談社 |
---|---|
出版年月 | 2012年5月 |
ISBNコード |
978-4-06-277246-4
(4-06-277246-9) |
税込価格 | 748円 |
頁数・縦 | 311P 15cm |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
-
-
川上未映子という才能の集大成
-
おすすめ度
- 明文堂書店黒部店 (富山県黒部市)
何が正しくて何が間違っているのか、何が善で何が悪なのか。その判断は難しい。当たり前だが自分にとって正であり善であっても他人にとってそれが正であり善であるとは限らない。誰しも「僕」と似た考えを持っているのではないだろうか。故に後半「僕」に百瀬が語ることは受け入れ難く納得がいかない部分が多い。しかし世の中、そんなもんである。平等でなければ公平でもなく不条理なことも多い。百瀬の言っていることも正しい。「自分がされたらいやなことは他人にしてはいけません」「相手の立場に立って行動する」当然だと思っていた。だけど実際は自分の都合のよい解釈をして行動していることが多いことにハッとする。コジマとのやりとりが話のメインでありその顛末が物語の要であることは承知している。しかし百瀬とのやりとりの部分は、それ以上に読む価値がある。14歳の君に、苛められている君に、苛めに関わっている君に…読んでほしい。
(2012年5月30日)
-
おすすめ度
-
商品内容
要旨 |
“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。苛められる者同士が育んだ密やかで無垢な関係はしかし、奇妙に変容していく。葛藤の末に選んだ世界で、僕が見たものとは。善悪や強弱といった価値観の根源を問い、圧倒的な反響を得た著者の新境地。芸術選奨文部科学大臣新人賞・紫式部文学賞ダブル受賞。 |
---|
出版社・メーカーコメント
「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」善悪の根源を問う、著者初の長編小説が遂に文庫化!