• 本

妖盗S79号

河出文庫 あ28−2

出版社名 河出書房新社
出版年月 2018年1月
ISBNコード 978-4-309-41585-7
4-309-41585-7
税込価格 1,045円
頁数・縦 537P 15cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 名人は名人を知る。大作家は大怪盗を知る。

    全十二話の連作短篇集。

    不可能を可能にする神出鬼没の怪盗S79号に、専従捜査班の刑事二人はいつも振り回されています。一人はS79号に執着し、すぐ興奮したり妄想に取りつかれたりする警部。もう一人は上司であるその警部に仕方なく調子を合わせています。この物語における二人の役割は話が進むほどに変化していきます。そこが大変面白い。

    ちょっとバカバカしいくらいのユーモアにあふれた、バラエティに富んだミステリ。読めば読むほどあらゆるところに気を配ってつくられた美術品のような一冊です。
    自分などはその良さや凄さの半分もくみ取れず、悔しいような、残念なような気持ちになるのですが、反面それも作者独特のペテンの一つのようでもあり、陰でクスリと笑われてしまうような気もします。

    (2018年7月18日)

商品内容

要旨

神出鬼没の怪盗S79号!指輪に名画、名刀に化石まで、古今東西のお宝を、奇想天外な手口で次々と盗み出す。そんな中、世間では、連続猟奇殺人事件も発生中で、大混乱!果たして、警視庁のS79号専従捜査班は怪盗の正体とその真の目的を暴くことができるのか?ユーモラスで見事なトリックが光る傑作、待望の復刊!

おすすめコメント

奇想天外な手口で華麗にお宝を盗む、神出鬼没の怪盗S79号。その正体、そして真の目的とは!? ユーモラスながら見事なトリックが光る傑作ミステリ、泡坂妻夫3作連続復刊企画第2弾。

著者紹介

泡坂 妻夫 (アワサカ ツマオ)  
1933年東京生まれ。家業の紋章上絵師の仕事をしながら推理小説を書き、76年「DL2号機事件」が第1回幻影城新人賞佳作入選して作家デビュー。78年『乱れからくり』で日本推理作家協会賞受賞。90年『蔭桔梗』で直木賞受賞。また、マジシャンとしても有名で、創作奇術で石田天海賞受賞。本名の厚川昌男名義でのマジック関連著作なども多数。2009年2月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)