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赤ちゃんはことばをどう学ぶのか

中公新書ラクレ 663

出版社名 中央公論新社
出版年月 2019年8月
ISBNコード 978-4-12-150663-4
4-12-150663-4
税込価格 902円
頁数・縦 214P 18cm

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要旨

英語など外国語の学習に苦労する人、苦労した人は多いのではないだろうか。だが私たちは誰でも、母語である日本語を赤ちゃん時代に習得したはずだ。では、懸命に努力することもなく、いつの間にか自然とことばを話すようになるように見える赤ちゃんは、実際はどのようにことばを覚えるのだろうか。本書では、生後18か月くらいまでの子どもが、どのように周りの大人の発することばを聞き取って理解し、言葉を発するようになるのかという言語習得プロセスを、著者自身の研究を始めとする最新の研究成果をもとに解説。まだ十分に発達していない頭脳で、短期間でなんなく言葉を覚えていく赤ちゃんは「言語学習の天才」のように思われることが多い。だが、そのプロセスをつぶさに分析すると、私たちは赤ちゃん時代に、相当の努力と苦労を重ねながら言葉を覚えていたことがわかった。それゆえ、幼児期に外国語に触れさせ、バイリンガルに育てようとするのは子どもに多大な負担をかけるものと認識しなければならないという。著者は東京大学大学院教育学研究科教授で、発達心理学、認知科学を専門とする。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2019年9月24日]

商品内容

要旨

東京大学で認知科学や発達心理学の研究に従事する著者は、赤ちゃんの「驚き反応」に着目するなどして、人がことばを学ぶプロセスについて明らかにしてきました。子どもはラクラクとことばを覚える「天才」?赤ちゃんは耳にした「音」をどうやって「ことば」として認識する?生まれた時から外国語に触れていたら、誰でもバイリンガルになれる?本書を読めば、赤ちゃんの無垢な笑顔に隠れた努力に驚かされること間違いなし!

目次

第1章 赤ちゃんは本当に「天才」なのか(子どもの母語獲得と大人の外国語学習
「爆発的な勢い」とは ほか)
第2章 まず、聞く(赤ちゃんの知識を調べる
母語を好む新生児 ほか)
第3章 「声」から「ことば」へ(声はどのように発達するか
声がことばになるとき ほか)
第4章 子どもはあっという間に外国語を覚えるという誤解について(子どものときに覚えた言語は完璧?
早いうちにアメリカへ行けば英語は完璧? ほか)
最終章 必要だから、学ぶ(子どもでも言語習得の道のりはとても険しい
忘れてはいけない母語と新しい言語との関係 ほか)

おすすめコメント

認知科学や発達心理学を研究する東京大学・針生先生。先生は生後6〜18ヶ月くらいの子ども、いわゆる“赤ちゃん研究員”の「驚き反応」に着目し、人がどのようにことばを聞き取り、理解しているかという言語習得のプロセスを明らかにしてきました。本書はその研究の概要を紹介しながら、これまでに判明した驚くべき知見を紹介していきます。何も知らない赤ちゃんが聞いたことのない「音」をどうやって「ことば」として認識する? 生まれた時から英語に触れていたら、今頃はバイリンガル? 赤ちゃんは胎内で聞いたお母さんのことばを覚えている? そのプロセスを知れば、無垢な笑顔の裏側に隠された「努力」に驚かされると同時に、赤ちゃんへ敬意を抱くこと必至。あなたはどのようにして言葉を覚えましたか?

著者紹介

針生 悦子 (ハリュウ エツコ)  
宮城県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教授。専門は発達心理学、認知科学。1988年お茶の水女子大学文教育学部卒業、90年東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、95年同博士課程修了。博士(教育学)。95年青山学院大学文学部専任講師、98年助教授を経て、2003年東京大学大学院教育学研究科助教授、15年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)