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プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史

出版社名 新曜社
出版年月 2020年8月
ISBNコード 978-4-7885-1685-4
4-7885-1685-3
税込価格 3,190円
頁数・縦 306P 20cm

商品内容

要旨

私小説が書けなくなる!?私的領域と文学の変容。プライヴァシーや個人情報への配慮がゆきわたった現代において、実在の人物に基づくリアルな小説は書きにくくなっている。だが、かつてはそうでなかった―。藤村や芥川、三島由紀夫「宴のあと」、柳美里「石に泳ぐ魚」などのモデル小説を取り上げ、「表現の自由」と私的領域との相克を追い、「プライヴァシー」概念の成立と小説のゆくえを考える。

目次

序章 モデル小説とプライヴァシー
第1章 モデル問題の登場―内田魯庵「破垣」の発禁と明治の社会小説
第2章 写実小説のジレンマ―トラブルメーカー島崎藤村と自然主義描写
第3章 大正、文壇交友録の季節―漱石山脈の争乱1
第4章 破船事件と実話・ゴシップの時代―漱石山脈の争乱2
第5章 のぞき見する大衆―『講談倶楽部』の昭和戦前期スポーツ選手モデル小説
第6章 “プライヴァシー”の誕生―三島由紀夫「宴のあと」と戦後ゴシップ週刊誌
第7章 “芸術性”をいかに裁くか―昭和末、高橋治「名もなき道を」の勝訴
第8章 モデル小説の黄昏―平成、柳美里「石に泳ぐ魚」のデッドエンド
終章 ネット社会のプライヴァシーと表現

著者紹介

日比 嘉高 (ヒビ ヨシタカ)  
1972年、愛知県名古屋市生まれ。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員(2002‐03)。ワシントン大学客員研究員(2009)。2009年から名古屋大学大学院文学研究科(現・人文学研究科)准教授。専攻は日本近現代文学・文化論、日系移民文学論、出版文化論など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)