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不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学

新潮選書

出版社名 新潮社
出版年月 2020年12月
ISBNコード 978-4-10-603860-0
4-10-603860-9
税込価格 1,760円
頁数・縦 297P 20cm

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要旨

自分と価値観や思想が異なる相手に対して「寛容」になれないことはないだろうか。SNSなどでは、互いに「不寛容」な者同士が罵倒しあったりもしている。昨今のコロナ禍では、何らかの事情で自粛できない人に不寛容な「自粛警察」と呼ばれる人たちも出てきた。では、そもそも「寛容」とは何なのだろうか。本書では、米国の独立前、英国の植民地時代に活躍したロジャー・ウィリアムズ(1603頃-1683)の「寛容」な行動や考え方を掘り下げることで、現代にも通じる「寛容」のあり方を探っている。ウィリアムズは、先に英国からアメリカ大陸に渡った人々による植民地政府が、異教徒や異端(政府を作ったピューリタン以外のキリスト教宗派の人たち)に、自分たちの教会での礼拝を強制するなどの「不寛容」なやり方に異を唱える。そして、そのために追放された後には、新しい植民地を拓き、先住民をはじめとする異教徒や異端者に対して「寛容」な政治運営を行った。著者は、国際基督教大学(ICU)人文科学科教授。専攻は神学・宗教学で、ベストセラーとなった『反知性主義』(新潮選書)など多数の著書がある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年2月5日]

商品内容

要旨

「わたしはあなたの意見に反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」―こんなユートピア的な寛容社会は本当に実現可能なのか。不寛容だった植民地時代のアメリカで、異なる価値観を持つ人びとが暮らす多様性社会を築いた偏屈なピューリタンの苦闘から、そのしたたかな共存の哲学を読み解く。現代でこそ役に立つ「キレイごとぬきの政治倫理」。

目次

第1章 虚像と実像のピューリタン
第2章 中世の寛容論
第3章 異議申し立ての伝統
第4章 政権当局とのせめぎ合い
第5章 誤れる良心と愚行権
第6章 建設者の苦悩
第7章 異形者の偉業

著者紹介

森本 あんり (モリモト アンリ)  
1956年、神奈川県生まれ。国際基督教大学(ICU)人文科学科教授。国際基督教大学人文科学科卒。東京神学大学大学院を経て、プリンストン神学大学院博士課程修了。プリンストンやバークレーで客員教授を務める。専攻は神学・宗教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)