• 本

インドネシア 世界最大のイスラームの国

ちくま新書 1595

出版社名 筑摩書房
出版年月 2021年8月
ISBNコード 978-4-480-07417-1
4-480-07417-1
税込価格 1,012円
頁数・縦 281,12P 18cm

書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍

要旨

1万3000以上の島からなる、ヨーロッパ全体にも匹敵する広大な国土と、世界第4位の人口を擁するインドネシア。日本とは歴史的、経済的、政治的につながりの深い友好国である。同国は、人口の約9割がイスラームに帰依する世界最大のイスラーム国家であると同時に、多民族・多宗教が共存してもいる。本書では、国民や政治指導者、宗教指導者等が、どのようにイスラーム(イスラム教)をはじめとする宗教や文化と向き合い、社会を作り上げてきたのか、という問題提起を軸にインドネシアという国家のありようを論じている。インドネシアでは、イスラーム以外の宗教や土着信仰などを排斥することなく、「寛容」の精神のもと共存を図ってきた。また、同国のムスリム(イスラームを信仰する者)の多くは、教義を忠実に実践していくのではなく、社会状況や個人の事情、地域の文化や習慣などと折り合いをつけながら柔軟性をもって信仰している。インドネシアには日本が学ぶ価値が多くあるという。著者は中央大学総合政策学部教授で、宗教社会人類学、東南アジア地域研究、比較文明学を専門とする。1990年から2009年まで米国、インドネシア、オーストラリア、フィリピンなどで暮した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年9月21日]

商品内容

要旨

世界一のイスラーム人口を誇るインドネシアは、独立後、シャリーア(イスラーム法)を国法としない共和国となった。しかし、教義に厳格なムスリムと、より柔軟に教義を解釈するムスリムの溝は埋まることはなかった。そのなかで人々は何を考え、どのような社会を創り上げたのか。インドネシアに計8年間暮らし、その文化と宗教を研究してきた社会人類学者が、綿密なフィールドワークで得た多様なムスリムの声とともに、教義と実践の狭間で揺れる大国の論理と実態を描きだす。

目次

序章 地球の縮図―多様性の国インドネシア
第1章 多文化主義への道―5つの建国理念
第2章 土着文明とイスラーム―反原発運動と信仰
第3章 スハルト政権興亡史―独裁者とムスリムたち
第4章 教義と実践の狭間で―ムスリムたちの実情
第5章 終わらない対立―教条主義と自由主義
第6章 テロリズムと対峙する大国―「イスラーム国」の登場
終章 ムスリムと家族になれるのか―宗教的寛容性を考える

出版社・メーカーコメント

世界一のイスラーム人口を誇るインドネシアで、人々はどのような社会を創り上げたのか。多様なムスリムの声と共に、教義と実践の狭間で揺れる大国の実態を描く。

著者紹介

加藤 久典 (カトウ ヒサノリ)  
1964年生まれ。中央大学総合政策学部教授。専門は宗教社会人類学、東南アジア地域研究、比較文明学。1990年から2009年までアメリカ、インドネシア、オーストラリア、フィリピンなどで暮らす。シドニー大学人文学部大学院にて修士号、博士号(Ph.D)を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)