• 本

ポストイクメンの男性育児 妊娠初期から始まる育業のススメ

中公新書ラクレ 791

出版社名 中央公論新社
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-12-150791-4
4-12-150791-6
税込価格 1,034円
頁数・縦 269P 18cm

書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍

要旨

「イクメン」という言葉が普及して久しい。男性の育児参加は肯定的に捉えられ、2022年4月から施行された改正育児・介護休業法では、男性の育休取得推進や育休取得率の公表が企業に義務付けられるようになった。社会の意識や法制度的には、「男性育児」の土壌は育ってきているように見える。本書では、「男性育児」が推進されているものの、そこには「支援」の観点が不足し、男性の育児参加が実際には厳しい状況であることを問題視。真に男性の育児参加を浸透させるためには、これまでの労働環境や女性中心の支援体制を見直し、社会全体に育児負担を分散させる意識が必要であるとして、そうした社会システムを「父親3.0」と名づけ説明している。また同時に、男性が育児をしやすい社会制度・労働環境を整えることは、企業の多様性拡大につながるとしている。著者は産業医、産婦人科医として大企業の健康経営戦略からベンチャー企業の産業保健体制立ち上げまで幅広く行うと同時に、Daddy Support協会代表理事として「男性の育児支援」の実装活動も行っている。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年5月23日]

商品内容

要旨

法改正により、男性育児の環境は大きく変化している。育児と仕事の両立や、孤立といった問題が解決されないままの「育休推進」は、「取るだけ育休」などで母親を困らせるだけではなく、父親自身を「産後うつ」としても追い込むなどの問題を引き起こしている。産業医・産婦人科医として「孤立する父親」と向き合ってきた著者が、「イクメン」からの男性育児・育休の問題点、今後解決すべき社会課題を「父親3.0」として提言する

目次

第1章 父親の「悲鳴」、母親の「ホンネ」
第2章 男性の育休をめぐる「歪んだ社会」
第3章 父親を苦しめる「三重苦」
第4章 「男性育児時代」に、社会や企業が目指すもの
第5章 苦しみ、追い込まれる前にできる、父親の心得
終章 気づいてほしい、自分を守る術

出版社・メーカーコメント

改正介護・育児休業法により、男性育休の取得率公表、「男性版産休制度」の創設など、男性の育児に関する環境は、近年大きく変化している。現代では共働き世帯が70%ちかくになる中、男性育休取得率は13%にとどまっていたが、2023年春から大企業に育休の取得率公表が義務付けられるなど、さらなる法改正により一気に増加が予想される。しかし男性が育児をするには、様々な問題点が存在し、孤立する父親は少なくない。悩む父親の一部が「男性の産後のうつ」として顕在化している例もある。本書では、そんな父親たちが抱える悩みの発生源を辿り、今の時点で考えられる解決策、そして今後望まれる社会体制について、産婦人科医および産業医として多くのヒアリング経験を持つ筆者が綴る。制度変革により「混迷の時代」となっている男性育児分野の「水先案内人」になる、そんな1冊です。

著者紹介

平野 翔大 (ヒラノ ショウダイ)  
Daddy Support協会代表理事。産業医・産婦人科医・医療ライター。慶應義塾大学医学部卒。産業医・産婦人科医として、大企業の健康経営戦略からベンチャー企業の産業保健体制立ち上げまで幅広く担う傍ら、ヘルスケアベンチャーの専門的支援、医療ライターとしての記事執筆や講演なども幅広く手掛ける。産婦人科の現場で「男性の育児・育休」に課題を感じ、育児支援の社会実装案で経済産業省「始動Next Innovator 2021」に採択される。2022年にDaddy Support協会を立ち上げ、支援活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)