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能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

ブルーバックス B−2233

出版社名 講談社
出版年月 2023年6月
ISBNコード 978-4-06-532405-9
4-06-532405-X
税込価格 1,100円
頁数・縦 237P 18cm

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要旨

前人未到の記録を塗り替えるアスリートや棋士、あるいは名経営者や起業家などの卓越した能力は「生まれつき」なのか、それとも「環境や努力のたまもの」なのか。長きにわたり結論が出ず、イメージで語られがちなこうした議論に科学的根拠をもたらすのが「行動遺伝学」だ。その研究成果はいかなるものなのか。本書では、日本の行動遺伝学をリードする著者が、誤解されがちな「遺伝」と「能力」のメカニズムについて、現在までの研究成果をもとに詳しく解説している。行動遺伝学とは、一卵性双生児と二卵性双生児を比較する「双子法」などの手法により、ヒトの行動の「個人差」に遺伝子や環境がどのように関わっているかを明らかにする学問。著者によれば、人間のあらゆる行動や能力、パーソナリティーなどに遺伝が影響している。だが、その影響がどのように、どの程度発現するかは環境によって「幅」が出てくるのだという。著者は慶應義塾大学文学部名誉教授。博士(教育学)。教育心理学、行動遺伝学、進化教育学を専門としており、日本における「双生児法」による研究の第一人者である。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年8月25日]

商品内容

要旨

「遺伝と能力」にまつわる誤解と迷信を科学で打破する。あなたと大谷翔平の遺伝子は99.9%まで同じだが、両者の圧倒的個人差には遺伝が大きく影響している。この一見、矛盾する事実をどう理解すればいいのか?「心や行動はすべて遺伝的」であるならば、環境や教育は「能力」を高めるうえで無意味なのか?長く偏見や悲劇すら生んできた「能力と遺伝」の闇を、最先端のゲノムサイエンスが真実の光で照らす!

目次

第1章 遺伝子が描く人間像(遺伝子のマジック
遺伝子は多様でランダム ほか)
第2章 才能は生まれつきか、努力か(心はすべて遺伝的である
「才能は生まれつきか、努力か」という問い ほか)
第3章 才能の行動遺伝学(「行動が遺伝的である」とはどういうことか
古典的な行動遺伝学 ほか)
第4章 遺伝子が暴かれる時代(ポリジェニック・スコアの進化
教育年数PGSが描く世界)
第5章 遺伝子と社会(遺伝的に正しい社会とは
遺伝子と人格)

出版社・メーカーコメント

能力は遺伝するのか。そもそも「能力」とは何か。そして「遺伝」とは何だろうか。実はわからないことだらけの領域を第一人者が解説!

著者紹介

安藤 寿康 (アンドウ ジュコウ)  
1958年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学文学部名誉教授。博士(教育学)。専門は教育心理学、行動遺伝学、進化教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)