• 本

福沢諭吉変貌する肖像 文明の先導者から文化人の象徴へ

ちくま新書 1745

出版社名 筑摩書房
出版年月 2023年8月
ISBNコード 978-4-480-07576-5
4-480-07576-3
税込価格 1,034円
頁数・縦 280P 18cm

商品内容

要旨

福沢の思想は毀誉褒貶にさらされてきた。それは福沢の議論の変化というよりも、福沢をとりまく世論の側の変化によるものといえる。福沢を評価した徳富蘇峰は、晩年には福沢が日本の伝統的な良風美俗を破壊したと罵倒。戦後は丸山眞男から原則ある実学思想家として賞賛されるも、朝鮮蔑視の脱亜論者として批判もされ、他方で一九八〇年代半ば以降は一万円札の肖像となり、文化人の象徴となった。福沢評価の変遷をたどり、その過程を詳細に考察。福沢の実像を浮かび上がらせる。

目次

序章 福沢を論じた知識人たち
第1章 存命期の論争―学者職分論から修身要領まで
第2章 死去―『福沢先生哀悼録』にみる「文明」の先導者
第3章 忘却から批判へ―大正期から太平洋戦争まで
第4章 華麗なる復活―連合国軍占領と横溢する賛美
第5章 「脱亜論」の主唱者として―戦後歴史学からの批判
終章 一万円札の肖像へ

出版社・メーカーコメント

福沢の思想は毀誉褒貶にさらされてきた。その世論の動向を見ていけば日本近現代史が見えてくる。福沢評価の変遷の系譜をたどり、福沢の実像を浮かび上がらせる。

著者紹介

小川原 正道 (オガワラ マサミチ)  
1976年生まれ。慶應義塾大学法学部教授、東京大学大学院法学政治学研究科客員研究員。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は日本政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)