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私の体がなくなっても私の作品は生き続ける

出版社名 講談社
出版年月 2023年12月
ISBNコード 978-4-06-534172-8
4-06-534172-8
税込価格 1,650円
頁数・縦 109P 18×18cm

商品内容

要旨

人生とは、芸術とは。老いとは、死とは。107歳で世を去った世界的美術家の、未公開作品と生前録音された肉声による最後の画文集。

目次

思いが湧けば
一本の線を
まったくの手探り
眺めているうちに
墨がぼおっと
さっと描かないと
絵というものの持つ
心というものは
私の絵もそうなの
私は線が好きなの
天にただ向かって
なぜ百を過ぎて
毎日、筆で遊んでいる
金も銀も
金箔に墨
ただ強い、ただ弱い
白は胡粉です
人が意思を持って
書は創るものじゃない
書っていうのは〔ほか〕

出版社・メーカーコメント

一〇八歳で逝った世界的美術家の未公開画文集。美しく老いるとは、こういうことだ。2021年に亡くなった世界的美術家・篠田紅桃氏。彼女が知られざる「人生の弟子」に託していた、未公開の作品と言葉による、最後の画文集。人生とは、芸術とは、老いとは、死とは。「心に宿るもの、心にきざすもの、思い、それを『可視のもの』にしたい。『かたち』を創りたい。私の若い心からの願望、到達点のない、生ける限り続く、ねがうかたち。しかし現実には、晩年になってしまった。心中の『真にうつくしいもの』は、いつも逃げ水のように、少し彼方から、私を招いている」(本書より)本書に収録されている作品は、大半は桃紅氏が80歳を過ぎてからのものだ。人生百年時代と言われるいま、「どう老いるか」「どう死ぬか」「死んで何をのこすか」は、すべての人の関心事となっている。本書は、その問いに対する、世界的美術家からの「答え」とも言える。

著者紹介

篠田 桃紅 (シノダ トウコウ)  
美術家。1913(大正2)年3月28日生まれ。5歳の頃から父に書の手ほどきを受け、桃紅という雅号が付けられた。戦後まもなく墨を用いた抽象表現という新たな芸術を切り拓く。1956年に単身渡米。ニューヨークの一流ギャラリーで作品の発表を続け、世界的な評価を得る。作品は国内外の美術館、海外王室、宮内庁、政府公共施設など数十ヵ所に収蔵されている。2021(令和3)年3月1日永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)