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隠された聖徳太子 近現代日本の偽史とオカルト文化

ちくま新書 1794

出版社名 筑摩書房
出版年月 2024年5月
ISBNコード 978-4-480-07621-2
4-480-07621-2
税込価格 1,012円
頁数・縦 263P 18cm

商品内容

要旨

日本史上、最も神秘に満ちた「聖人」―聖徳太子。近代において「人間太子」も登場するが、それは無論ただの人間ではない。日本が「西洋化」する中、彼と西洋との繋がりが語られる。そして「オカルトブーム」では、前近代と異なる形で「超能力者」として新たな命を吹き込まれる。様々な姿の太子を描く人々は、何を求めてきたのか。太子の「謎」は、人間の「隠されたもの」への強い関心を掻き立てる。本書では「歴史」と「偽史」の曖昧な境界を歩みつつ、その真相を読み解く。

目次

序 隠されたものへの視点―偽史から聖徳太子を考える
第1章 一神教に染まる聖徳太子(学術界における聖徳太子とキリスト教の「事始め」
秦氏はユダヤ教徒だった―佐伯好郎の業績によせて
フィクションへの展開―中里介山の聖徳太子観)
第2章 乱立するマイ太子像(池田栄とキリスト教の日本伝来
聖徳太子と戦後日本のキリスト教
司馬遼太郎と景教)
第3章 ユダヤ人論と怨霊説(手島郁郎と一神教的古神道
梅原猛と怨霊説の登場
怨霊meets景教―梅原猛『塔』について)
第4章 オカルト太子の行方(漫画の中のオカルト太子―山岸凉子『日出処の天子』
予言者としての聖徳太子の再発見)
結 隠された聖徳太子の開示

出版社・メーカーコメント

異能者? 予言者? キリスト教の影響を受けている? 誰もが知る聖徳太子は、近現代このように理解されてきた。日本人が彼に求めたものの深層を読みとく。

著者紹介

クラウタウ,オリオン (クラウタウ,オリオン)   Klautau,Orion
1980年生まれ。サンパウロ大学哲学文学人間科学部歴史学科卒業、東北大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、東北大学大学院国際文化研究科日本宗教・思想史研究講座准教授、同文学研究科現代日本学専攻分野兼務。専門は宗教史学。吉永進一(1957‐2022)が立ち上げた東アジア秘教学術研究ネットワーク(EANASE)のコーディネーターを務めつつ、広い意味での“史学史”の観点から近現代日本宗教の課題に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)