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マイナーノートで

出版社名 NHK出版
出版年月 2024年10月
ISBNコード 978-4-14-081977-7
4-14-081977-4
税込価格 1,980円
頁数・縦 252P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • マイナーノートで

    待望の最新エッセイ集である。
    社会学者として、世の中に多くを発信し、多くの共感を得てきた著者が、感性の源を自らで綴っている。
    「通奏低音」「インテルメッツォ」「リタルダンド」「夜想曲」の4つの章に束ねられた文章からは、いたみや怒り、不安や哀しみといった様々な感情が奏でられている。読む者は、気持ちを揺さぶられ、ザワつかせ、深く考える。著者は自ら「人生を終わりから数えるほうが早い年齢になった」後期高齢者と語っているが、静かな言葉の切れ味は鋭い。

    (2024年12月13日)

商品内容

要旨

ひそやかに奏でる想い、抱きしめた記憶―。子ども時代の素顔から、喪失のいたみ、次世代へのまなざし、後期高齢者の現実まで。自らの「夕景」を凛とした言葉で奏でた、待望の最新エッセイ集。

目次

1 通奏低音(「父の娘」として
棄教徒 ほか)
2 インテルメッツォ(チョコレート中毒
寿司食いてぇ… ほか)
3 リタルダンド(被傷体験
娘が戦争に志願したら? ほか)
4 夜想曲(感情記憶はよみがえるか
手の年齢 ほか)

出版社・メーカーコメント

自らのうちに響く音色を自らの言葉で織り上げた、待望の最新エッセイ集社会学者・フェミニストとして知られる著者は、切れ味鋭く社会を分析、「老後」への提言や人生相談、東大新入生への祝辞が話題となるなど、多くの読者の共感と信頼を得てきた。その明晰な「頭脳」は、どんな「感性」を併せ持っているのだろうか。その答えが本書には詰まっている。子ども時代の「宗教遍歴」や学生時代の鬱々とした日々、研究者への道のりといった「来し方」から、食の嗜好や山登り、観劇などの趣味、老いへの不安、次世代への思い、他界した先達への哀悼、喪失の哀しみまでを、低く静かな「大人の音色」で奏でた随想作品集。フェミニズムや介護といった研究領域、コロナや戦争といった社会の出来事にも触れつつ、自身の裡を流れる様々な音色を言葉に託していく。「考えたことは売るが、感じたことは売らない」とかつて豪語した著者も昨年、後期高齢者となった。気概はあるが、不安もある…。そんな著者が「奏でる」文章が、読み手の感情を揺さぶり、のちに深い共感をもたらす。人生の後半を視野に入れたすべての大人たち必読の一冊。

著者紹介

上野 千鶴子 (ウエノ チズコ)  
1948年、富山県生まれ。社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学、ジェンダー、介護など、幅広い分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)