平場の月
出版社名 | 光文社 |
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出版年月 | 2018年12月 |
ISBNコード |
978-4-334-91256-7
(4-334-91256-7) |
税込価格 | 1,760円 |
頁数・縦 | 245P 20cm |
もう若くはない男女の、静かに滾るリアルな恋
好きな人が死を迎えてしまう――泣ける恋愛小説の定石パターンでありながら、これまでにない読後感。大人版『世界の中心で、愛を叫ぶ』を目指したという本作は著者朝倉かすみさんの代表作と言いたい傑作!50歳になり、胃の内視鏡検査に行った男は、病院で中学の同級生に再会する。どちらも離婚を経て独り身。それぞれに苦い経験も積み、親の介護もある日常のなかで、遠慮がちに関係を深めていく。冒頭で女性が亡くなることが明かされるのですが、結末がわかっているからこそ、二人の関係がよりやるせなく胸にせまります。ミドルエイジの心を揺さぶる新しい恋愛小説です! |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
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平場の月
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おすすめ度
- ほんのいえ宮脇書店越谷店 (埼玉県越谷市)
もどかしさ、せつなさ、はきだせないおもい、いさぎよさ、不安、そんなないまぜの感情が行き来する。ごくごく普通の50代の男と女が登場する淡々とゆるやかな大人の恋愛小説。山本周五郎賞受賞に裏付けられた思わず読者を感情移入させてしまう筆力をこの作者は持っている。賞とりもふくめて、目が離せない作家である。
(2019年7月20日)
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おすすめ度
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商品内容
文学賞情報 |
2019年
第32回
山本周五郎賞受賞 |
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要旨 |
朝霞、新座、志木―。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。須藤とは、病院の売店で再会した。中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れる―。心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。 |
おすすめコメント
6月10日月曜日。青砥健将は駅前の花屋にいた。昼休みに須藤の訃報を聞いたからだ。朝霞、新座、志木。このへんで育ち、このへんで働き、このへんで老いぼれていく元男子と元女子たち。須藤とは、生検をしたばかりの病院の売店で偶然再会した。50歳になった男と女が、不治の病と闘い、不安の中で、つき合い、しがみつき、年老いていく。若くはない二人には、年老いた家族や、しがらみや、それぞれの過去もあり、若い男女の燃えるような恋にはない、危うくて美しくて清らかな世界が縷縷と流れるーー。すき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、しみじみと描く、大人の恋愛小説。