• 本

東京大学で世界文学を学ぶ

出版社名 集英社
出版年月 2010年11月
ISBNコード 978-4-08-775396-7
4-08-775396-4
税込価格 1,760円
頁数・縦 357,6P 19cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 東大の講義は面白い!

    本の帯にあった「この一冊で<世界文学>のすべてがわかる!」に惹かれて、この本を手に取りました。もし自分が学生時代に、時間もお金のことも一切考えずに浪人して勉強することができたとしても、私では受かるはずもない大学の講義を本にしたとのことで、どうせ面白くないでしょ!?っと遠慮がちに読み始めたのですが、これが面白かったです。「ドン・キホーテ」、「ボヴァリー夫人」や「白痴」などの大小説の誕生から、その構造や手法を分かりやすく解説してあって、引き込まれて読みました。また、巻末に人名・作品名索引もあって、読んだあとに気になる作者や小説の箇所を読み直せるのも良かったです。東大の講義にふれて、ちょっと頭が良くなった気分にもなれる良い本でした!

    (2014年3月31日)

商品内容

要旨

自作原稿を焼却したゴーゴリの数奇な生涯。漢語の輸入から日本文学の成熟へ、神話から始まって聖書へ―物語の歴史を考察する。短篇小説の跳躍について。近代の三大小説『ドン・キホーテ』『ボヴァリー夫人』『白痴』を細部まで読み解く要約の妙技。言霊信仰から『悪魔の詩』までの物騒なフィクションの話。小説の誕生から、その構造や手法をめっぽう面白く解説する。小説を通して見ると、人生と世界がつながる。目からうろこの文学講義。

目次

第1講義 我々はみなゴーゴリから、その外套の下からやってきた
第2講義 我々はみな二葉亭四迷から、その「あひゞき」から出てきた
第3講義 舌の先まで出かかった名前―耳に向かって書かれた“声の物語”
第4講義 私をどこかへ連れてって―静かに爆発する短篇小説
第5講義 燃えつきる小説―近代の三大長篇小説を読む(1)セルバンテス『ドン・キホーテ』
第6講義 燃えつきる小説―近代の三大長篇小説を読む(2)フローベール『ボヴァリー夫人』
第7講義 燃えつきる小説―近代の三大長篇小説を読む(3)ドストエフスキー『白痴』
第8講義 物騒なフィクション―ラシュディ『悪魔の詩』と冒涜するフィクション
第9講義 自作『枯葉の中の青い炎』は、どのようにして書かれたか
第10講義 ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』をどう読み、どうパスティーシュするか

出版社
商品紹介

ユダの福音書、ゴーゴリ、二葉亭四迷、村上春樹…。文学の歴史を振り返り、その果実を味わい尽くす。早わかり講義録。

出版社・メーカーコメント

現役東大生と学ぶ世界文学早わかり講義録 ユダの福音書、ゴーゴリ、二葉亭四迷、村上春樹…。世界と日本の文学の歴史を振り返り、その果実を味わい尽くす。東大生と一緒に学ぶ、面白くてためになる世界文学早わかり講義録。

著者紹介

辻原 登 (ツジハラ ノボル)  
1945年、和歌山県生まれ。1990年『村の名前』で芥川賞、99年『翔べ麒麟』で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、2005年「枯葉の中の青い炎」で川端康成文学賞、2006年『花はさくら木』で大佛次郎賞、2010年『許されざる者』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)