書店レビュー
総合おすすめ度:
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ドキュメンタリーかと思うほどリアルな物語です。
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おすすめ度
- 卓示書店 河口湖BELL店 (山梨県南都留郡富士河口湖町)
読んでいて「グリコ・森永事件」を思い出した。連日報道されたキツネ目の男。
この事件をモチーフにした物語だが、前半はほぼ事件通り、ドキュメントのように再現されている。
内容がリアル過ぎて、どこまでがノンフィクションでどこからが小説なのかわからなくなる。本も分厚く登場人物も多いが、話にどんどん引き込まれ、あっという間に読みおえた。最後の方に出て来る「え?まさかこの人が?」にも意表を突かれた。
「64」「殺人犯はそこにいる」にピンと来た方は絶対読むべし。(2017年2月14日)
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- うつのみや上林店 (石川県野々市市)
昭和の未解決大事件であるグリコ・森永事件を題材に使っているとあって、リアルタイムに体験したことのある自分にはとても興味のひかれました。
前半はもっぱら過去の実際の事件がどのように行われたかを現場に足を運んだり、当時つかみそこねた手がかりを洗い直したりが描かれています。怖さも含めた懐かしさを覚えながら読みました。中盤、犯人が具体的に浮かび上がってくる過程は丁寧で説得力を感じました。そして後半、ある男の独白からフィクションの醍醐味をじっくりと楽しませてもらいました。未来につながる力強い物語でした!(2016年10月13日)
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商品内容
文学賞情報 |
2016年
第7回
山田風太郎賞受賞 |
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要旨 |
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった―。 |
おすすめコメント
日本経済が絶頂期に向かいつつあった1980年代半ばに発生した「グリコ・森永事件」。 「かい人21面相」を名乗る犯行グループが食品会社6社を次々に脅迫。 「どくいり きけん たべたら しぬで」という脅し文句とともに、青酸ソーダ入り 菓子をばら撒くという手口で世間を震撼させました。 この事件を題材に、書かれたのが本書です。 事件の再取材を命じられた新聞記者と、自分の子供の頃の声が事件に使われたと 気づいた青年の二人が真実に迫る姿を、実際に新聞記者経験のある著者が描いています。 とてもフィクションとは思えないほど生々しい描写に溢れており、読み進むうち、 いつしか現実と虚構が溶け合うような感覚に陥ってしまいます。 綿密な取材の上、着想後15年を経て描かれた、著者渾身の長編小説。 ぜひ、ご一読ください。