• 本

コモリくん、ニホン語に出会う

角川文庫 こ47−1

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2017年6月
ISBNコード 978-4-04-105185-6
4-04-105185-1
税込価格 792円
頁数・縦 286P 15cm

商品内容

要旨

「皆さんは国語の授業が好きでしたか?」帰国子女という言葉すらなかった時代。コモリくんは書き言葉で話す、周りとちょっと違う小学生。そのために皆と“仲間”になり切れず、国語(特に作文!)が大嫌いになったコモリくん。そんな彼は日本語と格闘し、海外で日本文学を教える側になり、ついには日本を代表する漱石研究者にまでなってしまう。米原万里氏ら多くの作家も笑賛した、自伝的エッセイの名著。

目次

第1部 日本語に出会う(ことばとの出会い(東京・プラハ/小学校時代)
帰国してから(東京/(小)中学校時代)
ことばの実践としての政治参加(東京/高校時代)
「国文科」進学(札幌/大学時代))
第2部 日本語と格闘する(アルバイト教師時代(札幌/大学院生)
日本文学を教える(東京/大学教師)
アメリカで日本語と出会う(カリフォルニア大学/客員教授)
声と身体で表現する日本語(東京/カリフォルニア))
第3部 日本語を教える(道場破り―小学校の巻
道場破り―中学校の巻
授業というライヴ―高校の巻)

おすすめコメント

「皆さんは国語の授業が好きでしたか?」 帰国子女という言葉すらなかった時代。コモリくんは書き言葉で話す、周りとちょっと違う小学生。そのためにみんなと“仲間”になり切れず、国語(特に作文!)が大嫌いになったコモリくん。そんな彼は日本語と格闘し、海外で日本文学を教える側になり、ついには日本を代表する漱石研究者にまでなってしまう。米原万里氏ら多くの作家も笑賛した、自伝的エッセイの名著。言葉という不思議なものを巡る冒険の書。解説は『日本語が亡びるとき』の水村美苗氏。<もっと詳しい内容紹介> 帰国子女という言葉すらなかった頃、コモリくんはクラスで浮いていました。両親の仕事の都合によって、チェコのプラハで幼少期を過ごしていたコモリくんは、日本に帰国してから、日本語をいちから覚え直していくことになります。一生懸命、日本語を学んで、おかしくないように話しているはずなのに、コモリくんが話すたびにクラスメイトに笑われます。「ミナサン、ミナサンハ、ボクノニホンゴノ、ナニガイッタイ、オカシイノデショウカ?」 帰国子女・コモリ君は、文章語で話す小学生でした。そのため、周りからはおかしな子と思われてしまっていたのです。日本社会の異分子として日本語に出会い、格闘したコモリくんは、『吾輩は猫である』の猫に感情移入して読書感想文を書きあげますが、先生に誤読と言われてしまいます。さらに、高校で書いた『こころ』の読書レポートでは、Kと先生の奥さんがその後どうなったかを想像し、力を入れて書くも、学校の評価は散々で、気になっていた女の子にも「小森くんて、センスないのネ」と言われ……。そんなコモリくんが学生運動を経て、深く日本文学を愛し、海外でも日本語を教える側になり、文学研究の第一人者となり、日本語と格闘し続けた記録です。大学の先生になってから、小学校・中学校・高校で出張授業をして、日本語の可能性・言葉の面白さを生徒と一緒に体感した記録も収録しています。

著者紹介

小森 陽一 (コモリ ヨウイチ)  
1953年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は日本近代文学。なかでも、日本近代小説(表現論・文体論)、近代日本の言語態分析、現代日本の小説と批評。北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。成城大学助教授などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)