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帝都復興の時代 関東大震災以後

中公文庫 つ25−2

出版社名 中央公論新社
出版年月 2017年6月
ISBNコード 978-4-12-206423-2
4-12-206423-6
税込価格 946円
頁数・縦 268P 16cm

商品内容

要旨

未曽有の災害から復興を目指した官庁は政治に翻弄され、ついに「伏魔殿」となった。本書は後藤新平の動きを中心にその事情を捉える一方、大震災以後に登場した様々な社会意識を追い、大衆消費社会の成立過程を見据える。震災と日本人について、歴史的視座から多くの示唆を投げかけた傑作。

目次

第1章 関東大震災後の政治と後藤新平・復興院の挫折(大正後期の政治的布置状況
第二次山本権兵衛内閣の成立
後藤・犬養ラインの普選を軸にした新党運動の展開
新党計画の挫折と後藤・犬養のヘゲモニー喪失
小括)
第2章 復興局疑獄事件とは何か―「伏魔殿」と化した復興官庁(「百鬼夜行の寄合い世帯」―新聞報道の開始
逮捕者の続出と土木部長の自殺
「神道明照教」と『米相場必勝法』―公判に見る震災後の官吏意識
小括―ありうべき復興官庁像)
第3章 「天譴論」から「享楽化」・「大衆化」へ―関東大震災後の社会意識の変化(関東大震災直後の共同性・平等性意識の強調
「天譴論」―産業文明への反省・自然回帰論の広範化
一・二年後の「享楽化」「頽廃化」
「復興」と『東京行進曲』的大衆消費社会の成立
まとめ)

おすすめコメント

政治に翻弄された復興官庁の経緯を描きながら、大震災以後の社会意識の変化を追う本書は、大震災と日本人について歴史的視座からその深奥をとらえる

著者紹介

筒井 清忠 (ツツイ キヨタダ)  
1948(昭和23)年大分市生まれ。帝京大学文学部長、同大学院文学研究科長。東京財団上席研究員。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程単位修得退学ののち、京都大学教授などを経て、現職。著書に『西條八十』(読売文学賞、中央公論新社)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)