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室町史の新論点 混沌の時代を読みとく研究最前線

星海社新書 343

出版社名 星海社
出版年月 2025年6月
ISBNコード 978-4-06-539972-9
4-06-539972-6
税込価格 1,705円
頁数・縦 309P 18cm

商品内容

要旨

三代将軍足利義満の栄華から応仁の乱を経て戦国時代へと突入する約100年間は、政治・社会の矛盾が顕著に現れた激動の時代だった。南北朝時代初期の足利一門の軍事制度、幕府の家格、守護の権力拡大が複雑に絡み合い、戦国時代への道を開く。天皇継承を巡る「正統」の争いは幕府の介入によってさらに複雑化し、後土御門天皇の葬儀が遅れる悲劇も生じた。一方、荘園の衰退で地方へ下向した公家は和歌や古典をその他に伝えた。また、コシャマインの戦いは蝦夷地を決定的に変容させた。本書は、気鋭の中世史研究者たちが最新の研究と史料をもとに、室町時代の混沌を鮮やかに解き明かした論稿集である。

目次

論点1 南北朝動乱初期に軍事制度はなかったのか?(漆原徹)
論点2 室町幕府の家格とはどのようなものだったのか(小久保嘉紀)
論点3 室町殿はなぜ明から日本国王に冊封されたのか(秦野裕介)
論点4 室町殿御分国と東国との「国堺」はどのような役割を果たしたのか(花岡康隆)
論点5 “京都の警備担当”室町幕府侍所とはどのような存在だったのか(松井直人)
論点6 室町幕府と鎌倉府はどのような関係にあったのか(亀ヶ谷憲史)
論点7 政治都市鎌倉は鎌倉幕府の滅亡とともに衰退したのか?(駒見敬祐)
論点8 「守護」とは何か(今岡典和)
論点9 隣国守護の役割と活動(川岡勉)
論点10 安芸・若狭武田氏は甲斐武田氏に比べマイナーか(笹木康平)
論点11 コシャマインの戦いと武田信広(新藤透)
論点12 室町期の荘園制はどのようなものであったのか(廣田浩治)
論点13 室町時代の天皇はどのように継承されたのか(秦野裕介)
論点14 後土御門のたび重なる苦悩となかなか挙行されなかった葬儀(渡邊大門)
論点15 室町期の公家が地方に下向した実像を探る(渡邊大門)

出版社・メーカーコメント

戦国時代への移行期として注目される室町時代の学説の見直しが始まっている。気鋭の研究者13名による室町史研究の最前線を一冊に。

著者紹介

渡邊 大門 (ワタナベ ダイモン)  
歴史学者。1967年生まれ。1990年関西学院大学文学部卒業。2008年佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、株式会社歴史と文化の研究所代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)