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見果てぬ夢 満州国外史

中公文庫 ほ26-1

出版社名 中央公論新社
出版年月 2025年7月
ISBNコード 978-4-12-207683-9
4-12-207683-8
税込価格 1,760円
頁数・縦 453P 16cm

商品内容

要旨

満洲国の実力者「二キ三スケ」の一角を占め、国務院総務長官を務めた大蔵官僚による率直な回顧録。一九三二年の建国に際し、新たな通貨や租税制度をどう作ったか。「満洲五カ年計画」をどのように実行したか―。執政溥儀、高橋是清、東條英機、岸信介らの人物描写も興味深い、貴重な証言。

目次

満州行―馳せ参ずる大蔵省の俊秀
冒頭の一波乱
満州国の陣容
関東軍“内面指導”の実相
しだいに狭まる大満州
板垣首席参謀との“租税論争”―新国家の初予算を組む
意味のわからぬ外国電報―満州国債公募の工作
本位貨は金か銀か―満州国幣制統一の裏面史
奇妙に一致したリース・ロスの幣制改革―満州国幣制改革の裏面史
満州国史に輝く最良の日―北鉄の買収
首脳人事の動き―大達・岸・難波らの入満まで
大陸科学院 東条さんとの初奇縁
頭の下がる板垣さんと張総理―総務長官時代の思い出
満州開発五ヵ年計画
満州重工業設立の真相―鮎川氏の大構想
支那事変と私
満州国の行政改革
張鼓峰・ノモンハン事件の回想―辺境紛争に大局を誤る
逆境を歩んだ満業と鮎川構想
豊満ダム建設の思い出
満洲を去る―あわただしい国務大臣拝命

出版社・メーカーコメント

満洲国の実力者「二キ三スケ」の一角を占めた大蔵官僚による回顧録。新しい国の租税制度や通貨制度をどう作るか。具体的かつ軽妙に読ませる貴重な記録。

著者紹介

星野 直樹 (ホシノ ナオキ)  
1892(明治25)年横浜生まれ。東京帝国大学法学部卒業後、大蔵省入省。1932年満洲国建国に際し、渡満。37年には国務院総務長官に就任し、実質上行政トップの地位に就く。40年に帰国して、第二次近衛内閣のもとで企画院総裁、翌年東條内閣の成立とともに内閣書記官長となる。戦後はA級戦犯として終身刑を宣告されたが58年に釈放され、東京急行電鉄取締役、ダイヤモンド社会長などを歴任し、78年没
山室 信一 (ヤマムロ シンイチ)  
1951年熊本市生まれ。東京大学法学部卒業。京都大学人文科学研究所助教授、同教授などを務める。京都大学名誉教授。著書に『法制官僚の時代―国家の設計と知の歴程』(毎日出版文化賞)、『キメラ―満洲国の肖像』(吉野作造賞)、『思想課題としてのアジア―基軸・連鎖・投企』(アジア・太平洋賞特別賞)、『憲法9条の思想水脈』(司馬遼太郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)