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京大おどろきのウイルス学講義

PHP新書 1257

出版社名 PHP研究所
出版年月 2021年4月
ISBNコード 978-4-569-84934-8
4-569-84934-2
税込価格 1,023円
頁数・縦 222P 18cm

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要旨

2020年からの長期にわたるパンデミックにより、世界中の多くの人々が「ウイルス」に関心を持つようになった。人間に害を及ぼさないものを含め、地球上には膨大な種類のウイルスが生息している。もし新型コロナウイルス感染症が終息したとして、「次」にどんなウイルスがわれわれの生活を脅かすのだろうか。本書では、獣医学者でもあるウイルスの専門家で新型コロナウイルスに関する発言も多い著者が、今回のCOVID-19の「次」に来るであろう動物由来のウイルスを予測して紹介。さらに、ウイルスが感染する仕組みや、ヒトを含む動物の「進化」にも関係する「レトロウイルス」について詳細に解説している。コロナの「次」に感染拡大が危惧されるとして警戒すべきなのは、イヌやネコにのみ感染していたのが、サルなどの霊長類にも感染症を引き起こすように変異したウイルスだという。著者は京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授。東京大学農学部畜産獣医学科にて獣医師免許を取得。同大学院で動物由来ウイルスの研究に携わり、東大初の飛び級で博士号を取得した。大阪大学微生物病研究所エマージング感染症研究センター助手、帯広畜産大学畜産学部獣医学科助教授などを経て現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年6月25日]

商品内容

要旨

新型コロナウイルスの「次」に来る、動物由来のウイルスは何か?批判を恐れない提言で注目されるウイルス学者が、ペットのイヌやネコが媒介するウイルス、突然ニホンザルが血を流してばたばた死んでいった原因となったサルレトロウイルス4型など、変異すれば人間社会を脅かす可能性があるウイルスを紹介する。しかし実は、病原性のウイルスは全体のごく一部。病気を起こすどころか、1億年以上前に哺乳類の進化を促したウイルスもある。宿主のDNAを書き換える力を持ち、胎盤の形成に関与したといわれているレトロウイルスである。本書ではレトロウイルスの驚くべき力についても解説。

目次

第1章 「次」に来る可能性がある、動物界のウイルス
第2章 人はウイルスとともに暮らしている
第3章 そもそも「ウイルス」とは何?
第4章 ウイルスとワクチン
第5章 生物の遺伝子を書き換えてしまう「レトロウイルス」
第6章 ヒトの胎盤はレトロウイルスによって生まれた
第7章 生物の進化に貢献してきたレトロウイルス

出版社・メーカーコメント

新型コロナウイルスの「次」に来る、動物由来のウイルスは何? 本書では批判を恐れない提言で注目されるウイルス学者が、ペットのイヌやネコが媒介するウイルス、計50頭のニホンザルが血を流してばたばた死んだ原因となったサルレトロウイルス4型など、変異すれば人間社会を脅かす可能性があるウイルスを紹介します。しかし実は、病原性のウイルスは全体のごく一部。病気を起こすどころか、1億年以上前に哺乳類の進化を促したウイルスもあります。すなわち、宿主のDNAを書き換える力を持ち、哺乳類の胎盤の形成に関与したといわれているレトロウイルスです。本書ではレトロウイルスの驚くべき力についても解説します。さらに、「そもそもウイルスとは何か?」、「新型コロナウイルスのワクチン」などのテーマも解説。「多次元」のウイルス学を提唱している著者が京都大学で行なっている、1回生(全学部)向けや医学部2回生向けの授業などの内容を収録した、著者初の単著です。高校生でも十分理解できるよう、わかりやすい解説を目指しました。

著者紹介

宮沢 孝幸 (ミヤザワ タカユキ)  
京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授。1964年東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。東京大学農学部畜産獣医学科にて獣医師免許を取得。同大学院で動物由来ウイルスを研究。東大初の飛び級で博士号取得。大阪大学微生物病研究所エマージング感染症研究センター助手、帯広畜産大学畜産学部獣医学科助教授などを経て現職。日本獣医学学会賞、ヤンソン賞を受賞。2020年、新型コロナウイルス感染症の蔓延に対し、「1/100作戦」を提唱。『京大おどろきのウイルス学講義』が初の単著(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)