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変格探偵小説入門 奇想の遺産

岩波現代全書 013

出版社名 岩波書店
出版年月 2013年9月
ISBNコード 978-4-00-029113-2
4-00-029113-0
税込価格 2,530円
頁数・縦 279P 19cm

商品内容

文学賞情報

2014年 第67回 日本推理作家協会賞受賞

要旨

「謎解き」を主眼とする本格探偵小説に対し、変格探偵小説と呼ばれて来たのは、怪奇、幻想、猟奇、SF、秘境、冒険、シュールレアリスムなどの要素を含んだ、多様な小説群である。江戸川乱歩、横溝正史、小酒井不木、夢野久作、橘外男、渡辺温、久生十蘭、西尾正…。彼らはみな、変格探偵小説の書き手として活躍した。狭義の推理小説の枠を超えた豊饒さで読者を魅了しつつ、今日まで途絶えることなく受け継がれてきた「変格」の精神史を、豊富な資料から論じる。

目次

第1章 「変格探偵小説」とは何か
第2章 変格探偵作家としての江戸川乱歩
第3章 変格の血脈―横溝正史が受け継いだもの
第4章 医文学者の変格―小酒井不木の「健全」と「不健全」
第5章 変格派の雄・夢野久作―未知の精神領域へ
第6章 変格のリアリズム―「実話」をめぐる試行
第7章 変格のローカリズム―都市、秘境、そして鎌倉
結語にかえて―あらためて、変革とは、探偵小説とは?

著者紹介

谷口 基 (タニグチ モトイ)  
1964年生まれ。立教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。早稲田大学文学学術院兼任講師などを経て、現在茨城大学人文学部准教授。博士(文学)。専門は日本近現代文学、大衆文学研究。共編著『「新青年」読本』で第2回大衆文学研究賞(研究・考証部門)受賞。共同研究。「清張文学の基層」で第1回松本清張研究奨励事業入選。著書『戦前戦後異端文学論―奇想と反骨』(新典社)で第10回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)