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歴史の話 日本史を問いなおす

朝日文庫 あ64−2

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2018年1月
ISBNコード 978-4-02-261919-8
4-02-261919-8
税込価格 682円
頁数・縦 207P 15cm

商品内容

要旨

歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が「日本」と「日本人」をめぐって縦横無尽に語り合う。「百姓」とは誰をさすのか。「天皇制」をどう読むか。知識人が作り上げた日本史からこぼれ落ちた視点にこそ、見逃せないこの国の未来がある。ここでしか読めない二人の貴重な対談。

目次

1 歴史を多元的にみる(国民の生活から離れる知識人たち
「烏合の衆」が秘める思想的な強さ
わからない問題がたくさんある
「お前は何民族だ?」と聞かれたら
ずっと秀才だった人間の思い込み ほか)
2 歴史を読みなおす(「意味の重層性」を欠く日本の学術語
歴史的変化の中で揺れる文字の面白さ
山中共古と『東京人類学雑誌』
いま崩れようとしている「百姓は農民」像
襖の下張りに潜んでいる事実 ほか)

おすすめコメント

「『日本』という国号が決まる前……には『日本』も『日本人』も日本列島には存在していない。日本国は明らかに東北と南九州を侵略・征服して、100年をかけてようやく本州・四国・九州を支配下に入れたわけですね。そこから出発して考えていく必要がある」(網野) 「アイヌと琉球と2つの王朝があって、京都の王朝を入れて3つの王朝が並行して日本列島の中にあった……そこを日本の歴史像の中に組み入れていかないと、『君が代』も『日の丸』もとらえ切れないし……人類の中の日本人という方向には向かない」(鶴見)   歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が、それぞれの半生に重ねながら日本の歴史について語り合う。 我々はいつから「日本人」なのか。教科書とは異なる視点に立ったとき、新たな「日本」の姿が見えてくる。 一度だけの貴重な対談の文庫化!

著者紹介

網野 善彦 (アミノ ヨシヒコ)  
1928年山梨県生まれ。歴史家。専門は日本中世史、日本海民史。東京大学文学部卒業。都立高校教諭を経て名古屋大学、神奈川大学で教鞭をとる。89年、『瓜と龍蛇』で毎日出版文化賞受賞。2004年2月逝去
鶴見 俊輔 (ツルミ シュンスケ)  
1922年東京都生まれ。哲学者。15歳で渡米し、ハーバード大学哲学科卒業。1942年捕虜交換船で帰国。1946年『思想の科学』創刊に参加。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。82年に『戦時期日本の精神史』で大佛次郎賞受賞、94年度朝日賞受賞。2015年7月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)