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画聖雪舟の素顔 天橋立図に隠された謎

朝日新書 860

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2022年4月
ISBNコード 978-4-02-295166-3
4-02-295166-4
税込価格 935円
頁数・縦 263P 18cm

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要旨

室町時代に活躍した画僧として知られる雪舟は、「画聖」「日本の水墨画の始祖」などと称えられる。しかし、実際の雪舟の人生は、本当にこのイメージ通りだったのか? 最晩年に描かれた国宝「天橋立図」をはじめとする史料をもとに、時代のコンテクストに当てはめて彼の人生を見直すと、疑問点も多くあるようだ。本書は「天橋立図」など雪舟の画の原本や模本、描かれた地の写真などを多く用いて比較検証するほか、雪舟が生きた時代や場所を丁寧に追うことで、その「素顔」に迫っている。「画僧」として水墨画と禅を追求したイメージが強い雪舟だが、実際には、山口を拠点としていた大名・大内氏に「画僧」兼「知客(禅寺で客を接待する役僧)」として抱えられ、仏教界の巨大なネットワークを生かしながら、政治的にも大きな役割を果たしていたと考えられるという。また、「天橋立図」に詳細に描かれている地形や建物、土地の情報は、アート作品であるだけでなく、政治的、軍事的な意味をもあわせ持っていたようだ。著者は学習院大学教授。独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所美術部広領域研究室長、多摩美術大学教授を経て2012年より現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年5月24日]

商品内容

要旨

もはや、単なる水墨画とは言えない―。雪舟が最晩年に描いた「天橋立図」。そこには、単なる風景だけでなく、あらゆる情報が隠されていた!禅宗の世界と五山文学にはじまり、政治史から芸能、中世神話、日明交渉史から中国の地方誌・寺誌まで、さまざままな情報をもとに雪舟の人生と国宝の一幅の謎を読み解く。

目次

序章―なみだでねずみ
第1章 天橋立図の謎
第2章 雪舟あらわる
第3章 雪舟のイメージ戦略
第4章 雪舟入明
第5章 豊後と美濃への旅
第6章 再び天橋立図

出版社・メーカーコメント

画聖・雪舟が描いた傑作「天橋立図」は単なる風景画なのか? あそこまで詳細に描いた理由は何か。また、当時の地形からは見えるはずのない角度から描かれた手法とは……。雪舟の生涯を辿りながら、「天橋立図」に隠された謎に迫る。

著者紹介

島尾 新 (シマオ アラタ)  
1953年東京都生まれ。東京大学大学院修士課程修了。独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所美術部広領域研究室長、多摩美術大学教授を経て、2012年より学習院大学教授。日本中世絵画史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)