• 本

兎の眼

角川文庫

出版社名 角川書店
出版年月 1998年3月
ISBNコード 978-4-04-352001-5
4-04-352001-8
税込価格 660円
頁数・縦 339P 15cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • この作品にはたくさんの子供と、たくさんの大人が出てきます。
    たくさんの先生とたくさんの生徒が出てきます。
    大人と子供の違いってなんだろう?
    先生と生徒の違いってなんだろうと思います。
    完璧な人は誰も出てきません。完璧でないから素晴らしいと感じます。
    みんな悩み苦しみ、自分で答えを見つけていきます。
    一方では教えられ、一方では教えることができ、一緒に成長していく姿に、心から励まされます。
    すべての人間には宝物が眠っている。
    それは自分で見つけ出すこともできれば、一緒に見つけあっていくこともできる。
    今の時代にはない心の豊かさを感じますし、とても懐かしい心のやりとりも感じました。
    主人公の小谷先生は登場人物の中では一番泣き虫です。
    でも一番ガッツがあります。
    完璧になんでもできるロボットみたいな先生より、一緒に泣き笑いしてくれる小谷先生のような人に教えられたいし、自分も教えられるようになりたいと心から思いました。

    (2011年10月16日)

商品内容

要旨

大学を出たばかりの新任教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校では一言も口をきこうとしない一年生・鉄三。決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして学校の子どもたちとのふれ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。そして小谷先生は次第に、鉄三の中に隠された可能性の豊かさに気付いていくのだった…。学校と家庭の荒廃が叫ばれる現在、真の教育の意味を改めて問いかける。すべての人の魂に、生涯消えない圧倒的な感動を刻みつける、灰谷健次郎の代表作。