• 本

九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史

増補カラー版

角川ソフィア文庫 H130-1

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2023年7月
ISBNコード 978-4-04-400748-5
4-04-400748-9
税込価格 1,914円
頁数・縦 395P 15cm
シリーズ名 九相図をよむ

商品内容

要旨

腐敗し白骨化してゆく亡骸の変化を、九つの段階で描く九相図。仏教とともに伝来し、日本に深く根を下ろしたこの不浄の絵画は、無常なる生命への畏れ、諦念、執着を照らし出す。精気みなぎる鎌倉絵巻から、土佐派や狩野派による新展開、漢詩や和歌との融合、絵解きと版本による大衆化、そして河鍋暁斎や現代画家たちによる継承と創造へ―。芸術選奨新人賞・角川財団学芸賞ダブル受賞作に補遺を付し、全作品をカラー掲載する決定版。

目次

序 九相図の一五〇〇年
第1章 九相図とは何か
第2章 九相図の源流―西域・中国から古代日本まで
第3章 中世文学と死体
第4章 「九相図巻」をよむ―中世九相図の傑作(一)
第5章 国宝「六道絵」の「人道不浄相図」をよむ―中世九相図の傑作(二)
第6章 「九相詩絵巻」をよむ―漢詩・和歌と九相図の融合
第7章 江戸の出開帳と九相図
第8章 現代によみがえる九相図
補遺 朽ちてゆく死体の図像誌―戦の時代の九相図

出版社・メーカーコメント

不浄から無常へ。「死を想え」とささやく中世絵画への招待腐敗し白骨化してゆく亡骸の様子を克明に描く九相図。日本文化に深く根を下ろした不浄の仏教絵画には、生と死、そして肉体の無常を巡るいかなる想いが秘められているのか。全図をカラー収録した増補決定版。

著者紹介

山本 聡美 (ヤマモト サトミ)  
1970年、宮城県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は日本中世絵画史。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。大分県立芸術文化短期大学専任講師、金城学院大学准教授、共立女子大学准教授・同教授を経て、2019年より現職。『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』(角川選書)で平成27年度芸術選奨文部科学大臣新人賞・第14回角川財団学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)