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殺生と戦争の民俗学 柳田國男と千葉徳爾

角川選書 582

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2017年3月
ISBNコード 978-4-04-703607-9
4-04-703607-2
税込価格 2,200円
頁数・縦 390P 19cm

商品内容

要旨

柳田國男の最後の弟子、千葉徳爾。だが師の名に比して彼を知る人は少ない。徹底して自然主義を貫いた千葉は、しかしその異端さゆえに、「民俗学者」と名乗ることに抗い続けた柳田の最も正統な弟子とも言える。千葉が異様なほど固執した「殺生の快楽」、必然的に導かれる「戦争」と民俗学の密接な関わり。「公民の民俗学」として柳田学を説いてきた著者が、自らの師の研究に対峙し、現代の民俗学の在り方までを問う渾身の評論。

目次

序章 千葉徳爾『切腹の話』を読む
第1章 『山の人生』とワンダーフォーゲル
第2章 青年運動としての民俗学
第3章 殺生の快楽
第4章 戦場の民俗学者
第5章 実験の史学という問題
第6章 「固有信仰」としての残虐性
第7章 環境の民俗学
第8章 コラージュする民俗学者
第9章 「閃き」と「排泄」の学問
第10章 日本民俗学の「頽廃」とは何か
第11章 千葉徳爾のロマン主義殺し―再び「聖セバスチャン」殉教画をめぐって

おすすめコメント

「異端」ゆえに「正統」な、柳田国男の弟子・千葉徳爾。狂気にも似たその研究に迫る渾身の評論。「青年運動」「殺生」「残虐性」など斬新な切り口で柳田の民俗学を捉え直し、現代社会の問題点へも切り込む意欲作。

著者紹介

大塚 英志 (オオツカ エイジ)  
1958年生まれ。筑波大学人文学類卒業。日本民俗学専攻。批評家、まんが原作者。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授等を歴任、現在は、国際日本文化研究センター研究部教授。評論としての著書に『「捨て子」たちの民俗学―小泉八雲と柳田國男』(角川選書/第5回角川財団学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)