女子大生・瑛は、恋人から逃れて、南の町のホテルにたどり着いた。そこで、ホテルの部屋の電話機に残されたメッセージを聞く。「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に十時でいいですか？待ってます」そして、瑛とニノは出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。追っ手から追いつめられ、離ればなれになってしまう二人。直木賞受賞第一作。２１歳の女子大生・瑛と７歳の少年・ニノ、逃げたくて、会いたい二人の約束の物語。

老人ばかりいるシャッター商店街。そこから、２１歳の女子大生・瑛（てる）と８歳の男の子・ニノの逃避行は始まった。