• 本

物語論基礎と応用

講談社選書メチエ 647

出版社名 講談社
出版年月 2017年4月
ISBNコード 978-4-06-258650-4
4-06-258650-9
税込価格 2,035円
頁数・縦 269P 19cm

商品内容

要旨

人間だけが物語を語り、物語によって現実を理解する。では、「おもしろい物語」とは、どのように作られているのか。プロップ、バルト、ジュネットらの理論を紹介し、具体的な作品の分析から、その設計図を明らかにする。最もわかりやすいナラトロジーの教科書。

目次

第1部 理論編(「物語」の形態学
物語に流れる「時間」
視点と語り手
日本語の言語習慣
ノンフィクションは「物語」か
物語論への批判)
第2部 分析編(「おもしろい展開」の法則
叙述のスピードと文体
登場人物の内と外
さまざまな語りの構造
「物語」のこれから)

おすすめコメント

私たちは常に、物語に囲まれて生きている。小説や漫画などのフィクションが「物語」なのはもちろん、著者によれば、スポーツ中継や日々のニュース、歴史叙述も「物語」だという。では、ここでいう「物語」とは何か。どういう性質をもつものなのか――。これを論じてきた理論が物語論(ナラトロジー)である。動物もコミュニケーションを行えるが、物語を語れるのは人間だけである。その意味では、物語とは、人間の言語活動に特徴的かつ本質的なものである。しかし、「物語」というと、これまでは往々にして、作者の意図や作品の社会的背景、歴史的意味の解釈にのみ、力点がおかれていた。本書でいう「物語論」はそうではなく、言語学や文体論を用いながら、物語そのものの構造を論じ、設計図を分析していく。第一部では、フランス構造主義の物語論を中心に、その理論を紹介し、第二部では、カフカ、田山花袋、ボルヘスから、「シン・ゴジラ」「エヴァンゲリオン」「この世界の片隅に」まで、具体的なテクストを分析し、私たちの現実認識が、物語の仕方によっていることを明らかにしていく。

著者紹介

橋本 陽介 (ハシモト ヨウスケ)  
1982年埼玉県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科中国文学専攻博士課程単位取得。博士(文学)。専門は、中国語を中心とした文体論、テクスト言語学。現在、慶應義塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)