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ヒゲの日本近現代史

講談社現代新書 2217

出版社名 講談社
出版年月 2013年7月
ISBNコード 978-4-06-288217-0
4-06-288217-5
税込価格 836円
頁数・縦 242P 18cm

商品内容

目次

プロローグ 前近代のヒゲ史概観
第1章 明治時代におけるヒゲ大流行と権力性
第2章 明治後期のヒゲ論―寺田四郎『ひげ』を中心に
第3章 『太陽』掲載写真にみる明治後期〜大正初期のヒゲの様相
第4章 大正デモクラシーと流動化するヒゲ
第5章 軍国主義時代におけるヒゲの復活と実状
第6章 ヒゲの戦後史
第7章 ヒゲの現在

出版社・メーカーコメント

当たり前のことですが、ヒゲは基本的に男性にしか生えません。ここ10年ぐらいでこそ、ヒゲの有り/無しは、ファッションのひとつとしてみなされるようになりましたが、それこそ第二次世界大戦後の現代にあっても、ヒゲ有りはビジネスマナーに反すると認識されていました。さらに時代を遡れば、江戸時代中期に「大ヒゲ禁令」が出され、ヒゲ有りは幕府によって禁止されました。しかし、明治時代になると、一転してヒゲ有りが大流行し、欧米のさまざまな型(スタイル)が取り入れられていきます。だが大正時代になると、今度はヒゲ無しが増え、日中戦争が始まると、またヒゲ有りが増え……、と、ヒゲの有り/無しだけでも時代性を窺い知ることができるのです。すなわち、ヒゲを蓄えることは男らしさや権威の象徴と考えられるわけですが、ある時代には公権力によってヒゲが禁止・抑制されたこと、またある時代には公権力自らが権力性を誇示するために利用したことなどを知ることで、ヒゲが時代を映す鑑とも考えられるのです。ヒゲに見える興味深い日本近現代史。

著者紹介

阿部 恒久 (アベ ツネヒサ)  
1948年生まれ。新潟大学人文学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、共立女子大学国際学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)