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光の曼陀羅 日本文学論

講談社文芸文庫 あV1

出版社名 講談社
出版年月 2016年4月
ISBNコード 978-4-06-290308-0
4-06-290308-3
税込価格 2,750円
頁数・縦 687P 16cm

商品内容

要旨

埴谷雄高、稲垣足穂、南方熊楠、江戸川乱歩、中井英夫ら、「死者たちのための文学」を紡ぐ表現者の連なりを描き出す第一部「宇宙的なるものの系譜」。折口信夫の謎めく作品『死者の書』と関連資料を綿密に読み込み、物語の核心と新たな折口像を刺戟的に呈示する第二部「光の曼陀羅」。『死者の書』を起点に、特異な文学者の稜線を照射する気宇壮大な評論集。大江健三郎賞、伊藤整文学賞受賞。

目次

1 宇宙的なるものの系譜(宇宙的なるものの系譜―埴谷雄高、稲垣足穂、武田泰淳
耆那大雄をめぐって―埴谷雄高『死霊』論
鏡を通り抜けて―江戸川乱歩『陰獣』論
未来の記憶―稲垣足穂『弥勒』論
A感覚的レオナルド―南方熊楠と稲垣足穂
野生のエクリチュール―南方熊楠とアンドレ・ブルトン
混沌たる大楽―南方熊楠の宇宙論
不可能な薔薇―中井英夫『虚無への供物』論
閉じられた部屋のなかで―密室論)
2 光の曼陀羅(『死者の書』の謎を解く
光の曼陀羅―『初稿・死者の書』解説
折口信夫新発見資料
虚空の曼陀羅―折口信夫新発見資料解説
身毒丸変幻―折口信夫の「同性愛」
ユリシーズの帰還―折口信夫とアジア的世界
神と獣の間で―透谷、泡鳴、迢空
青い時間―折口信夫の戦後)

おすすめコメント

折口信夫の謎めく作品『死者の書』を軸に浮かび上がる、日本近代文学の系譜、「光の曼荼羅」。特異な表現者を繋ぐ文学の稜線を照らし出す、刺激的論考。2009年、第3回大江健三郎賞、第20回伊藤整文学賞受賞。

著者紹介

安藤 礼二 (アンドウ レイジ)  
1967・6・15~。文芸評論家。東京生まれ。早稲田大学第一文学部(考古学専修)を卒業後、出版社に勤務。2002年「神々の闘争―折口信夫論」が群像新人文学賞評論部門優秀作となる。同作品を基にした著書『神々の闘争―折口信夫論』で、2006年芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2009年、『光の曼陀羅―日本文学論』で大江健三郎賞と伊藤整文学賞を受賞。2015年『折口信夫』でサントリー学芸賞と角川財団学芸賞を受賞。多摩美術大学美術学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)